子育て/子育て・ママ育て

母親も、すくすく育つ世の中に。産後「ドゥーラ」とは(2ページ目)

子どもが産まれても、父親が仕事から帰ってくるのは、子どもが寝静まった後。いま、子育てのすべてが、母親ひとりの肩にのしかかるようになってしまったのではないか……。「ドゥーラ協会」は、社会で、みんなの手で、子育てを担うことを提案しています。どうして子どもは、社会の宝物と呼ばれているのか、みなさんも一緒に考えてみませんか?

執筆者:増村 江利子

産後の女性に必要な存在「ドゥーラ」とは

 「ドゥーラ」とは、妊娠・出産・子育てをする女性を、母親に寄り添って支える存在のこと。ギリシャ語で“他の女性を支援する、経験豊かな女性”を意味します。
子育て中は、小さな赤ちゃんの健康を第一に気にかけ、母親の健康は後回しになりがち

子育て中は、小さな赤ちゃんの健康を第一に気にかけ、母親の健康は後回しになりがち

妊娠期から産褥期、分娩時も含めて、母親の体だけでなく心をサポートする存在として、海外では既に広まっている職業ですが、日本ではまだ存在しなかったのだとか。

かつての日本では、出産の際に助産師さんや家族が寄り添っているのが普通のことでした。赤ちゃんを取り上げた後も一ヶ月の間、赤ちゃんを沐浴するために通ってくれるなど、妊娠・出産・子育ては地域社会の中に存在していて、母親になる女性に対して寄り添うこと、励まし、支えることが一般的に行われていたのです。

やがて医療の進歩や出産の高齢化などによって、出産を取り巻く環境は大きく変わります。自宅ではなく病院での出産が増え、新生児死亡率が低くなることと引き換えに、産後はすぐに退院を余儀なくされる。結果として子育てが「孤育て」になったと言われるように、頼る人もいなくて孤独感を持ちながら子育てをする母親が増えているようです。

出産後で考えると、ベビーシッターは赤ちゃんのお世話をする人で、ホームヘルパーは家事を代行してくれる人。それに対して、産後ドゥーラは家事サービスや育児サービスをしながら、母親支援をする人。つまり、出産後の母親に寄り添い、支える存在なのです。


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