K-POP/K-POPニュース

K-POPニュース001回 著作権使用料から何が見えるか?(2ページ目)

著作権使用料のニュースから見えてくる、日本におけるK-POP事情の今を探ります。

執筆者:古家 正亨

ドラマにおける楽曲使用料

先に挙げたドラマにおける楽曲使用料の圧倒的な多さです。
韓国ドラマでは、とにかく劇中、様々な音楽が使われます。韓国のオリジナル楽曲もあれば、洋楽も数多く利用されていて、日本の曲もインストを中心に使われることが多いんですね。
当然、日本のテレビで放送される際、ブルーレイやDVDとして発売される際、劇中で使用される音楽に対して、著作権の使用料が支払われます。
嫌韓流の流れがあると言われながらも、現在も日本で月に50本程度の韓流ドラマが、地上波をはじめ、BS、CS、ケーブルテレビなどで放送されています。
単純計算で考えても、1話あたり10曲程度の楽曲が使われるとなると・・・想像できますよね。1か月あたり、相当な楽曲数になります。これらの使用料が実は、莫大な著作権使用料を生み出しているわけです。

ドラマの影響とは

つまり、ここで3つ目(であると同時に結論)になりますが、この著作権使用料の数字から、単純に「日本でK-POPが流行っているから、これだけの数字になった」という見解を出すのは、決して正しくないということ言いたいんです。
寧ろ、この数字は、ドラマによってもたらされたものが大きいと言えます。
実際、昨年10月には、月に56本の韓流ドラマが放映され、2003年以降、過去最高のOA本数を記録しました。こういった数字も、著作権使用料の拡大の後押しとなっています。

2013年度は、社会情勢も相まってOA数が減少するだろうと言われている韓流ドラマですが、それでも自社制作のコストと比較して割安、かつ安定した視聴者層を獲得できる韓流ドラマは、日本の放送局にとって、重要なコンテンツであることは間違いありません。
そして、最近は、アイドルたちのドラマ界への進出が相次いでおり、それに伴って、出演している本人だけでなく、出演陣の所属事務所の先輩・後輩のアイドルや歌手たちが、OSTに参加するケースも増えてきています。
つまりドラマが、映像コンテンツという枠にとどまらず、音楽コンテンツの1つとしても今後は認識され、ドラマを活用した音楽プロモーションという新しい展開に発展していく可能性も出てくるのではないでしょうか。そうすると、ドラマのOA本数の減少は、必ずしも、著作権使用料の減少には結びつかず、寧ろ、ドラマにおける音楽の重要性が高まるにつれて、その額は、さらに増える可能性もあるかも知れませんね。


※JASRACに楽曲管理を依頼している場合に限るため、それ以外の楽曲は、直接管理者もしくは作家とのやり取りになります。
※参考
一般社団法人日本音楽著作権協会(JASRAC)
http://www.jasrac.or.jp/

韓国音楽著作権協会(KOMCA)
http://www.komca.or.kr/jap/index_jap.jsp

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