寝室プランの第一歩は、ベッド選びから
100万円を超える米国「スターンズ&フォスター」のベッド。いいベッドにはそれにふさわしい価値があります。 |
一日の3分の1を過ごすベッド。大切な道具だと分かっていても、ついつい後回しにされることも。でも本当は、寝室をプランする前にベッドを決めておくことで、失敗のない寝室づくりが可能になります。そのための知識を2回に分けて解説します。
さて、ベッドを買うとして、予算はいくらぐらいを想定されますか? いま市販されているベッドは、安い物で1万円台、高い物は100万円を超えます。これほど価格に差のある家具も珍しい。しかも見た目だけでは、その違いはあまり分かりません。
例えばベッドのマットレスの種類には、連立コイルやボンネルスプリング、ポケットコイルスプリング、低反発ウレタン、天然ラテックス、ウォーターベッドなどがあります。メーカーのホームページにはそれぞれのメリットが紹介されていますが、メリット・デメリットがあり、どれがいいかは簡単にはいえません。
たくさんの種類を寝比べること
シーリージャパンのショールーム(東京青山)。約30台のベッドを展示しています |
[よいベッド選びのコツ]
1.たくさんの種類に寝て比べること
2.自分が快適だと思ったものにすること
3.信頼のおけるメーカーの製品を選ぶこと
4.ある程度の値段以上のベッドを選ぶこと
以上が同社がすすめるベッド選びの主な基準です。まずは最低でも10台以上のベッドを比較することが大切です。実際に寝てみるとスプリングやウレタンなど、マットレスのタイプの違いによって、体の感じ方が大きく違うことが分かります。
では、どういった感じのベッドがいいのでしょうか? それは「気持ちいい」ことにつきます。安眠の基本は快適なことです。難しくいえば切りがありませんが、気持ちがいいということは、すぐに睡眠に入れて、必要以上の寝返りがなく、ぐっすり眠れることに直結します。
堅め信仰は捨てましょう
少し前までは、堅めのベッドが体にいいと言われていました。この「常識」はいまは通じません。確かに柔らか過ぎるとお尻が沈んでしまったりすることもありましたが、今は有名メーカーのベッドであれば、柔らかさと体の姿勢保持を両立した製品になっています。フカフカ過ぎて心配、ということはありません。では、ベッドは値段によって何が違うのでしょうか。答えは中身です。同じスプリングでも、安い物と高い物では、材料や製造方法が全く違います。高級な物ほどスプリングがしっかりしていて、寝心地もよく、耐久性も高いと考えられます。これは全てのタイプのベッドに共通していえることです。
値段の目安は一概にはいえませんが、よいベッドは、少なくとも15万円以上はします。それ以下の価格では、質の高い製品は望めないと考えた方がよいでしょう。その際に注意しなければならないのは、マットレスの品質です。実はベッドには、一般の家具メーカーの製品と、ベッド専業メーカーの製品があり、それぞれの特徴が違います。
ベッドの「ローテーション」って知ってますか? 次のページで紹介。