フィギュアスケート/印象に残っているフィギュアスケート選手

明るい笑顔と大人の女の表情を持ち合わせる 安藤美姫

スケーティングの技術だけではなく、その豊かな表現力で観客を魅了する安藤美姫選手。彼女の演技の特徴と「女王」としての存在感を決定づけた試合をご紹介します。

投稿記事

大人の色気や苦悩を表現したスケーティング 安藤美姫

ミキティの愛称で親しまれてきた日本のフィギュアスケーター、安藤美姫選手。ジュニア時代から、ずっと注目していた選手です。

シニアになってから、ぐっと大人びた表情を見せるようになり、特にコーチがニコライ・モロゾフ氏に変わってからは、ダイエットメニューに食事を切り替え、大人の女性としての表現力を身につける練習にも励んだそう。力強さ、明るさ、ダイナミックさといった彼女の持ち味に、女性としての深みがプラスされたように感じます。

どちらかというと童顔の彼女は、普段の姿は屈託のない笑顔なのですが、大人っぽい黒い衣装に身を包むと、雰囲気ががらりと変わります。大人の女性の色気や苦悩などといった表情をあざとくなく自然に表現し、スケーティングの間中、ひとつの女のドラマを見せられているような……そんな空気に包まれたものでした。

かなり調子の悪いときもあり、ケガにも苦しまされた安藤美姫選手。そのつらそうな表情が、まるで「非運の女王」といった雰囲気で、翼の折れた白鳥のような姿であったことも印象に残っています。

浅田真央をも超えた豊かな表現力

スケーティングの技術だけではなく、その豊かな表現力で観客を魅了する安藤美姫選手の演技は、音楽とともにその映像が心に刻まれているものがたくさんあるのですが、やはり一番と言えば、2010年の全日本選手権。6年ぶりのタイトルを狙ったフリーの演技です。

前半から、流れるような高いトリプルループ、指先にまで表情を持たせた演技、曲が変わるごとに会場の雰囲気も変えてしまうオーラ……そして、後半のジャンプ5つも見事に安定し、ダイナミックなステップのとっきには思わず場内から手拍子が。緩急をつけた表情のあるステップは、とにかく完璧としか表現のしようがないほどでした。

演技が終わったあとのガッツポーズは、ここに至るまでの苦悩や、すべてに加点がつくパーフェクトな演技を終えたことを考えると、こちらも思わず一緒にガッツポースになったほど。

202.34という圧倒的な点数をだし、浅田真央選手に勝った瞬間は、観ていて感動で鳥肌が立ちました。今でも、深く思い出に残っている、安藤美姫選手の完璧なまでの力強く美しい演技でした。
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