フィギュアスケート/印象に残っているフィギュアスケート選手

氷上の三銃士 フィリップ・キャンデロロ

フィリップ・キャンデロロの「ダルタニアン」をはじめてみた時の衝撃は、いまでも忘れません。それまでフィギアスケートと言えば、美しく輝かしいもの、繊細できらきらしているがゆえに、どこか女性的なものだと思っていましたが、キャンデロロ選手の十八番であるダルタニアンは、違います。

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フィリップ・キャンデロロの「ダルタニアン」をはじめてみた時の衝撃は、いまでも忘れません。つるつる滑る氷の上で、ダンスのステップでも踏むような軽やかな足さばき。腰にさしたエペのように細い剣(もちろん作りものでしょうが)をすらりと引き抜き、見えない敵をなぎ払う。

フィギアスケート観を変えてくれた男

それまでフィギアスケートと言えば、美しく輝かしいもの、繊細できらきらしているがゆえに、どこか女性的なものだと思っていましたが、キャンデロロ選手の十八番であるダルタニアンは、違います。

まず動きが躍動的でコミカル。さらに衣装からして、それまでのきらきらぴらぴらした身体にぴたりと貼り付くものから、おおきくはずれているのですから。

演目の題名そのままに、「三銃士」の若き騎士ダルタニアンを彷彿とさせる、フリルのついたゆったりとした白いシャツにチャコールのキュロット。もちろん下にはブレードがついていますが、折り返しのあるブーツで足元をかため、リンクの上にすっくと立つ彼の口元にはもちろん、端をぴんと反りかえらせた口髭が。

彼はその扮装でチャンバラに宙返り、そしてあの有名な「キャンデロロスピン」、ほとんどあぐらにちかい姿勢でのスピンまで見せてくれるのです。

現在も活躍中

現在もプロスケーターや解説者としてだけではなく、テレビでもひっぱりだこだそう。リンクに登場するだけで観客席がわっと沸いた、彼らしいなと思います。

その軽やかなステップがはじまると、いつの間にかテレビの向こうと一緒になって手拍子をとってしまう。あの楽しいダルタニアンをもう一度観たい、忘れられない選手のひとりです。

印象的だった試合

2大会連続で男子シングル銅メダルに輝いた、1994年リレハンメルオリンピック、1998年長野オリンピック。

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