Rabooについてまずは整理してみよう
楽天が直営で運営する電子書籍サービスRabooが2013年3月31日で完全に終了します。楽天と言えばkoboという電子書籍サービスが有名ですが、あちらはカナダのkobo社が日本で展開する電子書籍サービスです。
まとめると、
- Raboo:楽天直営の電子書籍サービス
- kobo:楽天が出資するカナダのkobo社の日本での電子書籍サービス
Rabooの歴史
Rabooは2011年8月10日にオープンした電子書籍サービスで、当初Panasonic製の電子書籍端末「UT-PB1」を専用機としてサービスを開始しました。後に、SONYの電子書籍専用端末ReaderもRabooのサービスに対応し、ReaderユーザーはSONYの電子書籍サービスReaderの他に紀伊國屋書店、楽天の各電子書籍サービスを利用できるようになりました。しかし、Rabooの品揃えはSONYのReader Storeとほぼ同じで、相互書店利用のメリットが今ひとつ見えませんでした。これはRabooとReader Storeのコンテンツ供給元がbooklistaという会社であることに由来します。
また、koboのサービスは2012年7月19日に開始しました。そこで、Rabooのサービスとkoboのサービスがどうなるかが注目されましたが、2012年9月26日楽天から2013年3月31日をもってRabooのサービスを完全終了するという発表がありました。
Raboo終了による問題
Raboo終了の発表により、Rabooユーザーの購入したコンテンツがどうなるかが注目されました。同じ楽天系列のサービスなので、Rabooで購入したコンテンツをkoboへ引き継げるものと普通は考えます。しかし、以前もガイドが記事にしましたが、サービスが異なることによるDRMの問題によりコンテンツがRabooからkoboへ引き継げない可能性が検討されました。各ニュースサイトの情報によればRabooとkoboはどちらもSONYやPanasonic等のAVメーカーが提唱するMerlinというDRMを使用しているとのことでしたが、結局koboへの引き継ぎは行われませんでした。
コンテンツの引き継ぎの問題は、Rabooに提供されている電子書籍のコンテンツフォーマットが日本語に特化しているSHARPの「XMDF」やボイジャーの「.book」であり、koboは世界展開しているため世界標準的な電子書籍フォーマットであるEPUBに対応しているという、kobo側にXMDFや.bookを見る機能が実装できなかったことによるものだとガイドは推測しています。
このような状況が重なり、Rabooユーザーが購入したコンテンツは何処にも引き継がれず、端末内にダウンロードを行なっていれば引き続き読むことは可能ですが、端末が故障したり、誤って端末内のデータを消してしまった場合は購入したコンテンツを見る手段がなくなってしまいました。
このことにより、電子書籍サービスはサービスの永続性というところに注目が集まっています。自分が購入した電子書籍はいつまでも読むことを保証してくれるのか?ということが各電子書籍サービスにつきつけられています。