精神保健福祉士

精神保健福祉士とは(2ページ目)

精神保健福祉士は、精神障がいのある人に関する専門的知識及び技術をもって、精神科病院その他の医療施設において精神障害の医療を受けている人や社会復帰を目的とする施設を利用している人の地域生活に関することなどの相談に応じ、助言、指導、日常生活への適応のために必要な訓練やその他の援助を行うといった、精神障がいのある人を対象としたソーシャルワークに従事する専門職としての国家資格です。

執筆者:原田 和明

精神科ソーシャルワーカーとは

精神保健福祉士は、精神科ソーシャルワーカー(Psychiatric Social Worker:PSW)であるとお話をしました。精神科ソーシャルワーカーとは、ソーシャルワークを担う精神科医療機関で医療チームの一員です。精神科ソーシャルワーカーは、精神保健福祉士という国家資格ができる以前から精神科医療機関で活躍していました。したがって、名称独占資格である精神福祉士の資格がなくても精神科ソーシャルワーカーを名乗ることは可能です。

しかしながら、現状は、ほぼ100%精神保健福祉士の資格がある人が精神科ソーシャルワーカーとして従事しています。それは、精神科ソーシャルワーカーが行うSST(社会技能訓練)などが診療報酬報酬業務として認められるには、精神保健福祉士や看護師の資格を持つものが行わなければならないからです。

精神保健福祉士の職種

精神保健福祉士の活躍する職種は、精神科ソーシャルワーカーだけではありません。精神保健福祉センターや保健所における精神保健相談員、精神障がい者の支援を行っている通所、入所の社会復帰を目的とする事業所や地域の相談支援事業所、さらには、心神喪失者医療観察法において重大な罪を犯したが責任能力上医療の処遇が必要とされる方々への支援においても,保護観察所に所属する社会復帰調整官として、また、裁判所での心神喪失者医療観察法審判における精神保健参与員といった職種に就かれている方もおられます。さらには、精神障がいのある人が入所している医療少年院や刑務所などで精神保健福祉士として活躍している方もおられます。

その他、企業等においてのメンタルヘルスを担う職種やスクールソーシャルワークの場面など、精神保健福祉士の職域は広がってきています。今後も精神保健福祉士の職域は広がっていくものと思われます。
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