電子書籍/電子書籍の問題点

コロコロコミックと電子書籍の意外な関係(2ページ目)

一見、関係の無さそうな、小学生男児向けコミック雑誌『コロコロコミック』と電子書籍の意外な関係性について考えてみましょう。

執筆者:上村 充弘

だからといって電子書籍はどうなんだ?

電子書籍が普及しないという状況下において、電子書籍に接触する機会が無いため、その利便性をユーザーが理解できないのではないでしょうか?

以前からガイドが記事にしているBookLive!のLideoのように、リアル書店で電子書籍端末を販売するということは、電子書籍を知らない人たちへの訴求として一番効果的ではないでしょうか?

また、紀伊國屋書店は新宿本店で電子書籍を体験できるコーナーを設置して、電子書籍に接触する機会を作っています。

まずは、接触する機会を作ってあげる

WalkmanReading

WALKMANで購入したONE PIECE

小学生のコロコロコミックも電子書籍も、まずは接触する機会を作ってあげないと、そういうモノが世の中に有るという認知がなされないため、買うも買わないも判断ができません。

学校の図書館にコロコロコミックを置くとか電子書籍端末を学校の図書館において電子書籍を図書館で貸し出す等しないと、この先のコロコロコミック読者や電子書籍読者が増えて行かないと思います。

PSVita

親が買ったONE PIECEを子供がPSVitaで同期して読む

特に電子書籍市場は読み手の拡大が急務になっており、読み手が増えないと、また2000年代前半のように電子書籍ブームと撤退を繰り返し、出版社も端末メーカーも再び痛い目を見ることになります。

市場のプレイヤーとしての接触機会の構築は、急務だとガイドは考えています。

 

とはいえ、スマホの中のキラーコンテンツ

コロコロコミックや電子書籍の接触機会を増やしたとしても、小学生のスマホ所持率は上がっています。2010年の7月、中学受験の聖地である御茶ノ水駅に向かう小学4年生ぐらいの女の子が、iPhoneで青空文庫を読んでいたことに衝撃を覚えて早3年。

スマホには中学受験用のアプリや、LINEなどのキラーコンテンツがあります。コロコロコミックや電子書籍は、これらと真っ向勝負しなければならない中、接触機会を上げた先に、コンテンツの中身の勝負がはじまることになります。

その時、コロコロコミックも電子書籍も、コンテンツの中身で勝てるものを提供できるか?というところも、その先に問われていると思います。

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