癌(がん)/がんの3大療法・その他の最新療法

免疫抑制細胞の減少には、シイタケ菌糸体が有用(2ページ目)

がんの治療では常に気になるのが「再発・転移」。その再発・転移予防には、体内の免疫の働きを保っておくことが重要であることがわかってきました。そのポイントは意外なところに…。

狭間 研至

執筆者:狭間 研至

医師 / 癌ガイド

がんとキノコの意外な関係

シイタケ菌糸体と免疫力

シイタケ菌糸体をとることで、再発・転移が懸念されるがん患者さんの免疫力は向上していると報告されています。(クリックで拡大)

ココまで読まれて、「そういえば」と思い当たられる方もいらっしゃるかも知れません。というのも、がんにキノコがいいのではないか、というのは比較的一般の方にも広まっているからです。しかし、その真偽のほどやメカニズムはそれほどきちんとわかっていませんでした。しかし、その謎の部分が、この数年で少しずつではありますがわかってきました。

右図は、シイタケ菌糸体を摂取する前後での、がん患者さんの免疫力の状態を示していますが、5ヶ月(=20週間)摂取したことで、免疫力が回復していることがわかります。

シイタケのどこがいいのか?

シイタケ菌糸体

あまり聞き慣れないシイタケ菌糸体。普段は目につかない部分です。(クリックで拡大)

では、シイタケを毎日スーパーで買ってきて食べればよいのかというと、やはり少し違うようです。というのも「シイタケ菌糸体」というのは、図に示すように通常は私たちが食べない部分だからです。この菌糸体にはベータグルカンなど多糖類も多く含まれていて、それらが「免疫抑制細胞」を減少させることにつながることもわかってきています。

とはいえ、なかなかお目にかかる部位ではありません。最近では、シイタケ菌糸体を原料にしたサプリメントもあるようです。がん治療中で再発・転移に対して何らかの補助を考えられている方には、そのようなサプリメントを使用されるのもよいのではないでしょうか。
 

【関連記事】
■がんの再発・移転予防には免疫抑制細胞の減少を

【関連サイト】
シイタケ菌糸体研究会


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