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貯蓄型の生命保険

生命保険には、満期を迎えたり、解約した時に満期保険金や、解約返戻金としてお金を受け取れることができるタイプのものがあります。

長島 良介

執筆者:長島 良介

生命保険ガイド

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生命保険には、満期を迎えたり、解約した時に満期保険金や、解約返戻金としてお金を受け取れることができるタイプのものがあります。

自分の保険がどのくらい貯蓄できているのか

今加入中の保険が貯蓄型かどうかは簡単に確認することができます。まず、今払っている保険料が月払いであれば、12を掛けて1年分の保険料を出します。これまでの加入年数×1年分の保険料がこれまで支払った保険料です。

そして、加入中の保険会社に電話して「今解約したらいくら戻ってきますか?」と確認してみてください。既に支払ってきた保険料に対して、戻ってくるお金がどのくらいかで貯蓄性があるかないかが決まります。

満期保険金のある保険なら、満期までの支払い保険料の合計を計算して、満期保険金を並べてみれば一目瞭然です。言葉ではなかなか理解できないかもしれないので、事例をもとに計算してみましょう。
月々の保険料が1万円、加入して既に15年の保険の場合
1万円×12カ月×15年=180万円

そして、保険会社に確認したところ、解約返戻金は150万円とのことでした。
(保険会社のお客様センターに電話して「今、解約したら解約返戻金はいくらになりますか」と聞くと答えてくれます。まれに「解約はすぐにはできません、書類が弊社に到着してからですのではっきりしたお答えはできません」なんて感じで、試算してくれない場合もありますが、その場合は「では、1カ月後に解約した場合はいくらになりますか?」といえば大抵教えてくれます。)

180万円支払って、戻ってくるのが150万円です。貯蓄でいえば元本割れ。この保険はそれほど貯蓄性が高いとはいえませんね。

さて、次に満期保険金のある学資保険を例にとってみましょう。
加入期間はお子さんが学校に入るまでの17年間。毎月1万円の積み立てで17年
間保険料を支払います。保険料の総支払額は
1万円×12カ月×17年=204万円

この学資保険の満期保険金は230万円です。いかがでしょう。もし現在加入中の学資保険が、このように支払う保険料の合計より、満期保険金の方が多い場合は、貯蓄性は高いということになります。

掛け捨て保険と貯蓄型と、保障と貯蓄

生命保険は、貯蓄するためのツールとして実際に多くの人に使われています。雑誌や書籍では保険と貯蓄は分けるべきで、保険商品で貯蓄は間違っているというコメントを目にすることがありますが、前述の通り、生命保険でお金を貯めることは可能なのです。 確かに、途中解約すると元本が目減りするなど、制約はありますが、それ以外、満期まで加入する、解約返戻金が保険料を上回る段階で解約すれば、普通預金で銀行に預けておくよりもリターンのよい保険もあるのです。

貯蓄を目的とした保険加入の場合、死亡保障はおまけになってきますが、ここで得られた保障分だけ掛け捨ての保険をカットすることで保険料コストを抑えることができます(これは微々たるものですが)。

貯蓄という行動と、保障を確保するという行動は分けて考えた方がよいことは確かです。しかし、保険で貯蓄をすることを全て否定する必要は全くありません。

既に保険外交員に薦められて貯蓄型の保険に加入してしまっていても、これらのコメントを気にする必要はありません。その保険が貯蓄目的であれば、先述のようにどの程度溜まっているのか、自分はいくら払っていくら受け取ることができるのかを確認しましょう。

元本を割り込んでいた場合は損をした気になるかもしれませんが、解約する前に他の貯蓄方法を検討してベストの方法を探してから行動に移してください。現在の厳しい状態では多少の元本割れならベストに近い場合も考えられます。

最後に貯蓄型である可能性の高い生命保険を列挙します。いずれも元本を割り込まないという保証はありませんが、お金が貯まる保険として考えて良いでしょう。終身保険、養老保険、学資保険、個人年金保険、こども保険、長期平準定期保険、逓増定期保険、長期医療保険、長期がん保険などが挙げられます。ぜひ加入中の保険を確認してみてください。
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