「支出=お金を失う」とは考えない
貯まらない人には、ある程度決まった行動パターンがある、ということは先に述べ散財する前によく考えよう
「たとえば、特売品を目にしたなら、安いのだから得だ、と多くの人が感じるでしょう。しかし、定価なら買うだろうか、と立ち止まって考えてみる。このことが大切です。流行や周囲に流されやすい人も同様です。本当に必要なのか、自分が好きで買うのかを問い掛けてみる。それによって、不要品を買うことはグッと減らせるはずです」
考える習慣を身に付けることで、無駄な支出、浪費が減れば、自然とお金は貯まることになります。それは、お金との付き合い方も上手くなったことを意味するわけですが……。
しかし、無駄を省くため、行き過ぎた節約、支出そのものを嫌う方向に向かうと、かえってお金との付き合いは上手くいかず、お金による満足感や幸福感は得にくいのだとか。
「お金に執着するあまり、何かを買うことを〈お金を失う〉と考えてしまっては、お金と上手く付き合えていないと思います。ちゃんと考えて買ったのであれば、それに見合うだけの何かを得たはず。でも、失うことばかりに意識が向いてしまっては、幸せを感じにくいでしょう。もちろん、お金で幸せが買えるわけではありません。しかし、お金が自分の幸福に一役買っているという気持ちで付き合うことは大切だと思います」
買う行為=お金を失うとは考えない。このことは、一見、支出優先とも取れ、それまでのアドバイスと矛盾するようですが、実はそうではありません。じっくり考え、納得して購入したからこそ満足感が得られ、モノも大切にするようになる。結果、お金の使い方もそれまでとは変わってくるのです。
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取材・文/清水京武 監修/ゆうきゆう(精神科医)
イラスト/竹松勇二 パネルデザイン/引間良基