「ジェラテリア Acquolina」(アクオリーナ)

「アクオリーナ」の外観

「アクオリーナ」の外観

2012年5月18日、東急東横線の祐天寺駅の目の前、徒歩20秒ほどの場所にオープンしたジェラート専門店「アクオリーナ」。

茂垣綾介シェフは、2004年、料理修行のためイタリアへ渡ったのですが、ジェラートの世界にすっかり魅せられて現在に至ります。素材探しなど現地での旅の中で、イタリア・トスカーナ州サンセポルクロという町にあるジェラテリア「ギニョーニ」で、初代イタリアチャンピオンにもなったジェラート職人、パルミーロ・ブルスキ氏と出会い、学んだことが、運命の転換点だったそうです。
「アクオリーナ」の茂垣綾介シェフ

「アクオリーナ」の茂垣綾介シェフ

日本に帰国後、ネット販売限定でジェラテリア「アクオリーナ」を開店し、クチコミで次第に評判を呼ぶようになりました。その後、料理人として再びイタリアへ渡り、レストランシェフとしても活躍。その間に、イタリア・ヴェネト州ロンガローネで行われた第39回国際ジェラートコンクール「COPPA D'ORO」で、若手職人部門2位を受賞。さらに2012年1月には、エミリア・ロマーニャ州のリミニで行われたジェラートのワールドカップ「Coppa del Mondo della Gelateria」にチームジャパンの一員として出場するなど、世界を舞台に活躍していらっしゃいます。
「アクオリーナ」のジェラート カップ3種盛り(590円)。2種盛り(540円)/コーン(+40円)、お子様2種盛り(10歳まで 300円)

「アクオリーナ」のジェラート カップ3種盛り(590円)。2種盛り(540円)/コーン(+40円)、お子様2種盛り(10歳まで 300円)

そんな茂垣シェフが作りだすジェラートは、旬の素材を採り入れて季節によって変わるという以上に、日によって並ぶフレーバーが変わるというスタイル。気候や曜日によって、お客様が美味しく召し上がれる物を考えて、メニュー構成を組み立てているそうです。

6月のある日、私がいただいたものは、KIBANA(キバナ)という、キウイとバナナをブレンドしたフレーバーと、オリーブオイル、カルダモンの3種盛りでした。
「アクオリーナ」でジェラートに添えるエクストラ・ヴァージン・オリーブオイル

「アクオリーナ」でジェラートに添えるエクストラ・ヴァージン・オリーブオイル

KIBANAは、イタリアではベーシックな味だそうで、全体にはキウイが中心で、ほどよくバナナの風味もプラスされた、爽やかで食べやすいフレーバーでした。カルダモンは、清々しく甘い上品な香りのグリーンカルダモンをホールから使用しています。

オリーブオイルは、ミルクベースのジェラート自体にもしっかりとブレンドしてありますが、さらにジェラートに小さな窪みをつけて、アクセントとしてほんの少しオリーブオイルを垂らしていただくというスタイル。オリーブオイルは、トスカーナ州シエナ近郊の生産者の物だそうです。
「アクオリーナ」のジェラートのケースは蓋付き

「アクオリーナ」のジェラートのケースは蓋付き

普通のジェラート店では、ショーケースの中に色とりどりのジェラートが並んで華やかですが、茂垣シェフは、イタリアの本場では普及している、蓋のできるタイプを採用。ジェラートが空気にふれず、常に最適な温度で新鮮な状態を保つことができるよう、見た目よりも本質を重視したためです。でも、気になる味があれば味見もさせてくださるので、いくつか試して、色々と悩んで決めるのも楽しい時間です。
「アクオリーナ」の「本日のソフトクリーム」(500円前後)

「アクオリーナ」の「本日のソフトクリーム」(500円前後)

週末限定で「本日のソフトクリーム」もやっていらして、夏の間は続けられる予定とのこと。この日は「ラズベリー」。ソフトクリームは、ジェラートとはベースも異なり、オーバーランと言われる空気含有率がジェラートより高く、冷やし回す温度帯も高いため、専用マシーンが設置されています。ジェラートに比べると、さらに軽くなめらかでやわらかい食感ですが、それでも、よく牧場などでいただくソフトクリームの軽やかなイメージに比べると、しっかり密度の濃い味わい深い、大人向けのソフトクリームです。

夜は23時までと、これまでのジェラート専門店ではなかった遅い時間まで営業しているのも、大人にとっては嬉しいお店ですね。仕事帰りに寄られる地元の方はもちろん、沿線のお客様も多いそうです。
「アクオリーナ」のジェラート、カップ2種盛り。ヴィンサントのザバイオーネとカルダモン

「アクオリーナ」のジェラート、カップ2種盛り。ヴィンサントのザバイオーネとカルダモン

この日は、「ヴィンサントのザバイオーネ」と、「フィノッキオ」を2種盛りでいただきました。色彩が白×白になってしまいましたが、茂垣シェフのお話を伺っているうちに、ぜひともこれらをいただかなくては!と思わずにいられなかったのです。

ヴィンサントはイタリアで、葡萄を陰干しして作られる伝統的なパッシートワインの一つ。その中でもトスカーナ産のワインとして有名なキャンティ・クラシコの名門ワイナリー、「CASTELLO DI AMA(カステッロ・ディ・アマ)」2004年物を使用。ザバイオーネは、卵黄と砂糖とマルサラ酒を泡立てながら火を入れて作る、イタリアのドルチェなどの定番ですが、茂垣シェフは他のお酒で作ることもあるそうで、これは、そのレパートリーでも人気の高い物の一つ。お酒が効いている、という印象よりも、熟成感のあるデザートワインならではの、上品なコクとふくよかな甘味が感じられます。
「フィノッキオ」に使う乾燥させたウイキョウの花

「フィノッキオ」に使う乾燥させたウイキョウの花

フィノッキオは、和名でウイキョウ、英語でフェンネル、フランス語でフヌイユとも呼ばれるハーブです。シェフに、イタリアから届けられる、乾燥させたウイキョウの花を見せていただき、ぜひいただきたくなりました。スパイスとしてよく使われるのはフェンネルシード、つまり種の部分で、料理には刻んだ葉も使われます。花はほとんど流通しておらず、現地の生産者さんから直接お送りいただいている貴重なもの。清々しい香りですが、種や葉に比べて繊細で上品なニュアンスは、ぜひ一度試していただきたいフレーバーです。

「アクオリーナ」では、ヘーゼルナッツはピエモンテ産、ピスタチオはシチリア産など、イタリアの生産者さんから直接届けていただくものを使用しています。それらのナッツを自家製でペーストにして、ジェラートのベースにブレンド。新鮮な香りと風味を大事に、本物のジェラートの美味しさを伝えたい、という茂垣シェフの思いが込められています。
「アクオリーナ」のジェラート、コーン2種盛り。ブラッドオレンジ、リコッタとブルーベリー

「アクオリーナ」のジェラート、コーン2種盛り。ブラッドオレンジ、リコッタとブルーベリー

ある日は、ブラッドオレンジのシャーベットと、リコッタとブルーベリーの2種盛りをコーンでいただきました。もちろんイタリア産のブラッドオレンジですが、絶対にイタリア産だけと限定している訳ではなく、「河内ばんかんのシャーベット」なんて、日本の果実を使った物が登場することも。そんな意外な出会いも楽しみです。

<ショップデータ>
ジェラテリア Acquolina
http://www.acquolina.jp/
東京都目黒区五本木1-11-10
電話 03-5708-5787
営業時間 平日13:30~23:00、土日祝 12:00~23:00
定休日 火曜(祝日は営業)


続くページでは、今年の4月、移転リニューアルオープンしたあの人気パティシエのアイスクリーム専門店をご紹介します。