ジパング編成に乗ってみた
一ノ関発、盛岡行きの列車。午後遅い列車は、時間的に平泉観光を終えて盛岡へ向う人達を乗せるのが目的のため、一ノ関出発時は空いていた。お陰で、車内をのんびりと観察したり、写真撮影することができた。平泉からは観光客が多数乗り込んできて、あっという間に車内は席が埋まり、賑やかになった。列車は田園地帯の中を快走する。盛岡までは、海岸を走ったり、山越えの難所があるわけではなく、ある意味平凡な車窓ではあるが、言いかえれば、豊かな農村風景が展開する懐かしい故郷の情景ともいえる。平泉を出てしばらくすると右手に北上川が現れ、やがて蛇行して一旦近づくものの遠ざかっていく。
指定席車は観光客や鉄道ファンばかりだったが、自由席車にはクラブ活動帰りの高校生のグループも乗車していた。快速列車だから通学定期でも乗れるわけで、地元の足としても活用されているようだ。この区間はオールロングシートで簡素な車内設備の「不人気の電車」701系ばかりだから、特急並の座席は大好評のようだ。
水沢、北上、花巻と進んでいくうちに左側の遠い山並みには夕陽が傾き、一日が終ろうとしていた。盛岡までは一ノ関から1時間20分ほど、平泉からは1時間10分少々の程良い旅だ。