相続・相続税/遺言書の書き方

遺言ってどんなときに必要?(2ページ目)

相続が発生し、遺言がない場合には、相続人全員で遺産分割協議を行ない、誰が何を取得するのかを決めなければいけません。しかし遺言があれば遺産分割協議をしなくてよく、相続でもめそうな場合に遺言は有効です。遺言はどんなときに役立つでしょうか。

執筆者:加藤 昌男

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相続人以外の人に財産を渡したい場合には遺言が有効

遺言,感謝,手紙

遺言は感謝の手紙

相続人以外の人は、遺言がなければ遺産を取得することができません。遺産を渡したい場合には、遺言が必要になります。

例えば、以下のような人です。
  • 内縁の夫・妻
  • 認知していない子
  • 養子にしていない配偶者の連れ子
  • 医療・介護等で世話してくれた人
  • 国・地方公共団体などに寄付をしたい場合(相続人からの寄付も可)

法定相続人に遺産をあげたくない場合には遺言が有効

法定相続人に遺産をあげたくない場合もあります。例えば、行方不明や音信不通の子、兄弟姉妹(甥姪)などに遺産をあげたくない場合には、全ての財産を特定の相続人等に取得させる旨の遺言を作成することが出来ます。

特に、行方不明の場合には、遺産分割協議ができず名義変更をすることができず困ってしまいます。遺言があればスムーズに名義変更をすることができます。

ただし、子には遺留分という権利(※遺言でも侵すことができない相続人の権利)があって、遺言の内容を知ったときから1年以内、知らなければ死亡のときから10年以内に、遺産を多く取得した相続人等に対して「遺留分減殺請求」という方法により、自分の相続分の1/2を取り戻すことができます。一方、兄弟姉妹(甥姪)には遺留分はありません。

遺言の種類

遺言には、自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言の3つがあります。
それぞれの遺言のメリット・デメリットは >> どの遺言で書けばよい?遺言の種類

遺言は感謝の手紙

よくある相続トラブルとして、被相続人の面倒をみていた子とそうでない子がもめて、結局、面倒をみていた子が相続分しか取得できないことがあります。個人的には、面倒を見ていた子に多めに相続して欲しいと思います。しかし、なかなかうまくいきません。遺言がないと取得財産は相続分になってしまします。

私は、遺言を生前に世話になった人への「感謝の手紙」だと思っています。面倒を見てもらって、お礼をしないなんて死んでから後悔しそうですよね。


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