引き戸にリフォームすれば、出入りがスムーズ&家具も置ける
引き戸のメリットは出入りがラクになるのはもちろん、床面積を有効活用できるところにあります。開きドアは、開閉のための広い面積が必要になるので、狭い場所から出入りしようとすると身動きが取りにくくなります。またドアを開く側に家具を置くことができないなど、部屋の使い方にも制限が生まれます。そこで、開きドアを引き戸にリフォームすれば、開閉のための面積が小さくて済むので狭い場所からの出入りがスムーズになるのはもちろん、今まで置けなかった場所に家具を置いて収納を増やすことができるようになります。
ドア前の面積は開口幅が大きくなるほど広い面積が必要になり、身体のひねりも大きくなる。引き戸なら大開口でも開閉しやすい(大建工業)
他にも、引き戸のメリットはたくさんあり、開けたドアが風に煽られて閉まることがないので安全、身体をひねらず開閉できるので車いすでも楽に通り抜けができるようになります。
このような理由により、バリアフリーリフォームでは引き戸が有効だとされています。実際、ガイドYuuが足をケガして1年ほど車いすを使用していた間も、開きドアの開閉は大変でしたが、引き戸はラクにできて通り抜けもスムーズなので、家中が引き戸だったらよかったのに!と感じていました。
引き戸の種類もいろいろ、リフォームでは場所や予算で使い分けて
ひと口に引き戸と言っても、様々な種類があり、開き方には片引き戸、引き違い戸、引き分け戸などがあり、戸の構造にはレール戸車式、吊り戸式などがあります。吊り戸式は床にレールが無いのでスッキリしますが、レール戸車式より値段が高くなります。下の図面は、よくある一戸建ての間取りです。ごく一般的な間取りでは開きドアが多くなっています。このような家は、
(1)を片引き戸に
(2)を3枚片引き戸や引き違い戸に
(3)を浴室用引き戸に
それぞれリフォームすると、老後も安心して暮らせるバリアフリーな家になり、床面積を有効活用できるようになります。
キッチンのドアは開け放つのに不便で、洗面所はドアの開閉分の面積がムダになっている。
簡単施工のリフォーム用外付け引き戸(パナソニック)
アウトセットタイプの引き戸は工事が簡単で値段も手ごろですが、開口部を覆うように引き戸枠を取り付けますので、枠の厚みの分、約5cmほど壁から出っ張る仕上がりになります。
取り付け時には、床に段差ができないよう注意し、どうしても段差が残る場合はスロープの取り付けリフォームなどで解消をしておきましょう。
間口が広く取れる3枚連動引き戸(大建工業)
3枚引き戸のメリットは、開口幅が大きいことです。通常の開きドアの開口幅は約76cm、一間の引き違いの開口幅は約78cmですが、3枚なら約98cmの開口幅を確保することができます。
また上記のような間取りの場合、寝室は廊下からだけでなく、LDKからも入れるようにしておくと、後々便利です。その際は、3枚引き戸などで開口幅を広めにとっておくと、車いすでの通行がラクにできます。
3枚引き戸なら浴室の出入りがラクなバリアフリーに(パナソニック)
このように、引き戸にも様々な種類があります。取り付ける場所や予算に合わせて上手に使い分けましょう。
では次に、引き戸選びでチェックしておきたい大事なポイントと、意外にメンドウなこと、危険を防ぐコツもご紹介します。
引き戸は重なったら引き出しにくい?指をはさむ不安は?
引き戸でメンドウなのが、2枚の戸が重なった時の引き出しにくさです。また勢いよく閉めた時に指を挟んでしまう危険があるのも気になります。そこで、引き戸選びの際には取っ手とクローズ機能に注目してみましょう。手が掛りやすいかよく確認し、またゆっくりと閉まるクローズ機能が付いているタイプを選べば安心です。
左:戸袋から引き出しやすいよう大きな手掛けが掘り込んである。右:オプションで付けられる大型引き手。(パナソニック)
室内ドアのリフォームをする際は、デザインだけでなく開き方や機能にも注目して計画すると、暮らしの快適度が上がります。下記では、ドアを引き戸にリフォームしたら収納が取れるようになった洗面所リフォームの事例をご紹介していますので、あわせてご覧下さい。 さて、皆さんの家のトイレのドアはどう開くでしょうか?内開き?それとも外開き?それとも引き戸?開き方にはちゃんと理由があります。それぞれのメリット、デメリットは下記に詳しくご紹介していますのでご覧になってみて下さい。 【関連記事】
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