夫が40代の場合は借り入れは少なめに、期間は短めに
3組目は、夫が40歳でローンを組むケースです。教育費や老後資金なども視野にいれた借り方を考えます。
プロフィール
夫40歳(会社員)、妻35歳(専業主婦)、子ども5歳
世帯年収800万円
住宅購入に使える資金 1000万円
気になる物件の価格 3500万円(新築物件)
いまは比較的ゆとりのある家計ですが、ローンの返済と並行して教育費がかかりはじめ13年後にピーク、20年後には老後資金が必要に……と考えると、ラクチンとはいえません。このケースでも妻が働くかどうかが大きなポイントになりますが、夫の収入のみでも負担が重くならないように組んでおきましょう。返済額が最後まで変わらない長期固定のローンで60歳までに完済できることが重要です。
そこで藤川さんの提案するプランがこちら
物件価格 3500万円
借入金額 2780万円(返済期間20年、全期間固定1.76%)
頭金 720万円 (諸費用280万円)
返済額 毎月13万7497円 年間165万円(年間返済率 20.6%)
総返済額 3300万円
※2012年5月適用分(資金受け取り時)の金利で試算。実際の借り入れとは異なる場合がある
1割以上の頭金がありますから長期固定金利住宅ローンのフラット35を単独で利用します。金利や融資手数料は取扱金融機関によって異なるので、なるべくメリットのあるところを選びましょう。保証料は無料ですが、団体信用生命保険料は別途必要になります(加入は任意)。なお、フラット35では借り入れ期間20年以下と21年以上では金利が異なり、20年以下の最安の金利は2012年5月現在1.76%となっています。
40代での購入の理想は教育費のピーク前での完済
「上記のような低金利・全期間固定のローンで、貯蓄もできる家計が維持できれば大きな心配はありませんが、子どもが増えたり、減収やリストラといった事態もありえます。妻が働いて収入を増やすことができればさらに安心。その場合は、民間の住宅ローンで固定金利と変動金利のミックスプランを利用し、30年返済にしておきます。毎月の返済額はかなり軽減されますから、その分を教育費と貯蓄に。そして繰上返済をして子どもが大学に入る前に完済してしまうといいですね」。いかがでしたか。
身の丈に合った物件を選び、ムリのない借り入れ金額で、自分が返せる期間に合わせたローンのタイプを選ぶこと。この鉄則を忘れずに“安心な”マイホームを手に入れましょう!
監修/藤川 太(ファイナンシャル・プランナー) イラスト/西山カルロスさとし