当面のE657系の運用
3月のダイヤ改正では、「スーパーひたち」の30本中、20本がE657系で運転される(残り10本は従来通り651系使用)。「フレッシュひたち」は、41本中9本がE657系に置き換わるものの、30本はE653系、2本は651系のまま運転される。3種類の車両が混在することとなり、ややこしい状況だ。もっとも、E653系はグリーン車がないので、グリーン車のある列車は、新型車両にあたる確率が極めて高くなる。また、新型車両投入により、「スーパーひたち」の一部列車において、スピードアップが図られ、上野~いわき間において、最大9分の短縮となる。
大震災による常磐線の状況
従来、「スーパーひたち」の中には、上野~いわき~仙台を4時間半ほどで結ぶ直通列車が運転されていた。東北新幹線の倍以上の時間をかけて走る列車は、特急とは言え、のんびりした車窓が楽しめる「鉄道旅行ファン」に人気ある列車だった。当初、この直通列車は、新型車両デビューと同時に廃止され、「ひたち」は上野~いわき間の列車になり、いわき~仙台間は新たな愛称の列車になる予定だった。しかし、2011年3月の東日本大震災と原発事故の影響で、いわき以北の常磐線は寸断され、今もって再開の予定は立っていない。当面、常磐線の特急列車は、すべて上野~いわき間の運転となる。
余震多発、原発事故の深刻な影響でつらい状況の続く常磐線沿線である。新型特急のデビューが少しでもこの地域へ足を向ける人を増やし、この地域の復興に役立つことを期待したい。