JR常磐線に久々の新型特急車両登場
東京の北のターミナル上野と水戸(茨城県)、いわき(福島県)を中心とした常磐線沿線を結ぶ特急は、長らく「スーパーひたち」(651系)、「フレッシュひたち」(E653系)という2種類の列車で運行されてきた。けれども、「フレッシュひたち」には一部「スーパーひたち」の車両が使われ、グリーン車なしのE653系とグリーン車ありの651系が混在して利用者にとって不便であった。また、E653系の長大編成列車は、中間に通り抜けできない運転台付き車両が入るなど、何かと不自由な面もあった。
そこで、651系が、1989年3月の登場以来20年を越え、そろそろ老朽化してきたので、新型車両を投入して、車両の統一を図ることが計画された。それが2012年3月のダイヤ改正から登場する新型車両E657系である。
新型特急電車E657系のプロフィール
E657系は、すべて10両編成。水戸、いわき方面へ向う時は、10号車が先頭になる。ほぼ中間の5号車がグリーン車で、車いす対応の大型トイレや多目的室もある。列車の顔というべき先頭部は、他の車両に似たフォルムのない個性的な表情だ。塗色は、わずかに赤みがかったホワイトを基調とし、窓下には紅梅色のストライプが入る。これは、水戸の偕楽園の紅梅・白梅をイメージしたものであろう。さらに、裾はラベンダーグレーに塗られ、車体の立体感を引き立てている。性能面でも、走行中の振動を低減するフルアクティブサスペンションを先頭車とグリーン車に搭載するなど、従来車に比べて乗り心地がよくなった。最高速度は130km/hで、これは今までの車両と変わらない。