なぜ“宿”“鴎外の家”“天然温泉”なのか?
ホテルの前身『水月旅館』がオープンしたのは1943年(昭和18年)のこと。その3年後、旅館の隣にあった鴎外のかつての住居が売りに出されることになりました。鴎外が住んでいたのは1890年(明治23年)。その後次々と住み手が変わる様子を見て、水月旅館の創業者は「今自分が鴎外の旧居を買わないと、この家はもう壊れてしまうだろう」と一大決心。庭付きの家が2000円で買えたという時代に、数万円かけて鴎外の旧居を購入することとなったのです。こうして“鴎外の旧居”という名所を得た水月ホテルでしたが、さらに近くに温泉銭湯があったことから「掘れば湯が湧くのではないか」と創業者が予測。1961年(昭和36年)、みごと地下200メートルから天然温泉が沸き出たのです。その後2000年(平成12年)に都内第一号天然温泉として登録がなされ、宿であり、鴎外の旧居であり、天然温泉でもある『水月ホテル鴎外荘』が誕生しました。
>次のページでは、森鴎外の旧居にお邪魔します。