東京の観光・旅行/浅草・上野

上野に温泉! 鴎外荘でお湯・食・文学を楽しむ

上野動物園のすぐ隣に建つ『水月ホテル鴎外荘』は、東京都が認定した都内第一号の天然温泉です。東京の人気観光地、しかも上野公園の中ともいえるような場所に、天然の温泉があること自体驚きですが、実はこのホテルの敷地内には、日本人なら誰もが知っている文豪・森鴎外の旧居もあるのです。さまざまな楽しみ方のできる鴎外荘を歩いてみましょう。

藤丸 由華

執筆者:藤丸 由華

東京ガイド

なぜ“宿”“鴎外の家”“天然温泉”なのか?

水月ホテル鴎外荘

上野の動物園通りに面した一見いたって普通のホテル。でも中が凄いんです!

鴎外の旧居

鴎外の旧居。無料で見学できるのも嬉しい点

ホテルの前身『水月旅館』がオープンしたのは1943年(昭和18年)のこと。その3年後、旅館の隣にあった鴎外のかつての住居が売りに出されることになりました。鴎外が住んでいたのは1890年(明治23年)。その後次々と住み手が変わる様子を見て、水月旅館の創業者は「今自分が鴎外の旧居を買わないと、この家はもう壊れてしまうだろう」と一大決心。庭付きの家が2000円で買えたという時代に、数万円かけて鴎外の旧居を購入することとなったのです。

こうして“鴎外の旧居”という名所を得た水月ホテルでしたが、さらに近くに温泉銭湯があったことから「掘れば湯が湧くのではないか」と創業者が予測。1961年(昭和36年)、みごと地下200メートルから天然温泉が沸き出たのです。その後2000年(平成12年)に都内第一号天然温泉として登録がなされ、宿であり、鴎外の旧居であり、天然温泉でもある『水月ホテル鴎外荘』が誕生しました。

次のページでは、森鴎外の旧居にお邪魔します。
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