Tramando(トラマンド)
Tramando 2012春夏コレクション
南米アルゼンチンの「Tramando(トラマンド)」は遊び心たっぷりのデザインで、ファッションの意味まで書き換えるブランド。着る人のライフシーンにうるおいや笑顔をもたらす服はハッピートーンに包まれた「幸服」。また、テキスタイルの本質を掘り下げるものづくりのアプローチに強みがあり、そこにポップでアグレッシブなプリントが重なるから、身にまとうだけで前向きな人柄まで印象づけることができそうです。
Tramando 2012春夏コレクション
デザイナーのMartin Churba(マルティン・チュルバ)氏はテキスタイルデザイナーの出身。だから、伸縮性や加工しやすさなど、布ならではの特長を最大限に生かした作風でファンを増やしてきました。しわになりにくい生地を使って、自然と肌になじみ、着ているのを忘れてしまうようなフィット感を実現しています。チュルバ氏を核にしながらも、建築家やミュージシャンなど、様々なフィールドのクリエーターが参加して、服に新たな表現を持ち込んでいるのも、「Tramando」の持ち味です。
ブランド名は「紡ぐ」という意味で、テキスタイルから発している「Tramando」のスタンスを示してもいます。ウィットフルでシアトリカル、そして少しパンキッシュな「Tramando」の打ち出すテイストはこれまでのファッションの常識から少しはみ出しています。オフィスルックやプライベート着といった従来のセグメント(分類)が意味をなさなくなるような自由な発想にも、ラテンアメリカの開放的なマインドが感じ取れます。
無数の色を散らした、グラフィックプリントのワンピースと靴は、全身で「装うよろこび」を表しているかのよう。目の粗いパンチング穴を開けたTシャツを重ねたTシャツレイヤードに、アニマルプリントの白パンツというコーディネートはストリートのやんちゃさと、リッチなセレブカジュアルを交錯させたようなミックス感が目を楽しませます。レインボーカラーの極厚スニーカーも地面からエナジーを立ちのぼらせてきます。
ブラジルやアルゼンチンのファッションに共通しているのは、トロピカルな色使いや、ダイナミックなフォルムといった、おしゃれを楽しく華やかにしてくれるところ。肌越しにパワーを注入してもらえそうな、陽気でエネルギッシュな装いです。素材やモチーフに、エコ意識やナチュラルテイストを忍び込ませている点も中南米ファッションの持ち味と言えるでしょう。
スポーツ、肉体美といったライフスタイルとの融合もラテンアメリカン・ファッションの特質。その背景となっているのは、自然食やマテ茶などを愛し、明るくストレスフリーで暮らそうとするラテン流の考え方や食生活かも知れません。地元伝統のエスニックテイストと、欧米から入った近代モードが溶け合って生まれた不思議なフォークロア感も世界中のファッショニスタから熱い視線を浴びています。健康的なセクシーを薫らせてくれる点は薄着になるシーズンにぴったりだから、2012年春夏はラテンアメリカの装いに身を任せてみて!
【画像協力】
H.P.FRANCE
http://www.hpfrance.com/
(アルファベット順)
HERCHCOVITCH;ALEXANDRE
OSKLEN
Tramando