ハウスメーカーがいう○○ナンバーワンの「○○」には様々な言葉が当てはめられます。一番簡単な話ですと全国ベースでの供給棟数(累計や年間)がありますし、次いで各都道府県単位(その中の市町村、エリア単位も)の実績もわかりやすい話です。
さらに工法別のナンバーワンも。木造軸組工法(在来工法)やプレハブ工法、ツーバイフォー工法などでハウスメーカー間で実績を競っています。このほか用途別もあり、持家、分譲住宅、貸家(賃貸住宅)、マンションなどでもランキング付けされています。
これらは国土交通省などがまとめている新設住宅着工統計や都道府県別の確認申請を元にした調査があり、一定の信頼性があります。また、このような調査を専門に行う研究調査機関もあって、第三者の視点からランキングされていますからこちらも信頼度が高いといえます。
細分化した分野でハウスメーカーがしのぎを削る
最近では、省エネルギー性能など環境面への配慮に注目が集まっています。そのため太陽光発電システムの搭載実績や気密断熱性能についても、ハウスメーカーの間で競争が激しくなってきています。中には「環境共生住宅」の供給量といった分野もあります。最近は地球環境への配慮や省エネルギー、節電などが住宅の大きなトレンドになっている。そのため、「環境共生住宅」の供給に関するランキングなどもある
要するに、ハウスメーカーは住宅に関する細分化された分野でナンバーワンになるべく常日頃から切磋琢磨し、それを裏付けるべく情報公開にも力を入れているというわけです。関連したものでは新技術の導入などでも激しい競争をしています。
最近ですと、スマートハウスがらみの開発競争にそれが見られます。具体的にいえば「HEMS(ホームエネルギーマネジメントシステム)」の搭載や、家庭用蓄電池などがそう。できるだけ早期に投入しておくことで、業界のトップランナーになりたいということが背景にあるのです。
中には「顧客満足度(CS)でトップを目指す」なんていうハウスメーカーも。こちらはどちらかというと概念的なもので、社内目標みたいな感じなのでしょうが、こんな感じのナンバーワン戦略もハウスメーカーを取材しているとよく話に出てきます。
さて、次のページではナンバーワンについての懐疑的なお話を書きます。こんなことが住宅業界の舞台裏で起こっているという内容ですが、ナンバーワンが本当に信頼できるのか、という注意喚起にもなると思います。