出来高が増加する場合
日経平均株価のチャートを見てみましょう。出来高は通常、ローソク足チャートの下の部分に2段に分かれて表示されています。下のチャートでは、水色の縦棒が出来高を表しています。直線を引いた部分の株価の動きを見てみると、株価が上昇しています。では、下に表示されている出来高を見てみると、株価の上昇と共に出来高も右肩上がりに増加していることがわかります。
少し古いですが、このチャートは、2002年以降の日経平均株価のチャートです。
皆さん覚えていますか?この時は、小泉元首相が郵政改革を訴え、自民党を潰すと言っていたあの頃です。国内外からの期待が日本に集まり、株を買う人が増え、株価は大幅な上昇となりました。懐かしいですね。
出来高が減少する場合
次のチャートを見てみましょう。囲み印をつけた部分の株価の動きを見てみると、株価が上昇しています。では、出来高を見てみると、株価が上昇しているにも関わらず、出来高は右肩下がりに減少していることがわかります。
つまり、株価が上昇しているにも関わらず、株を買っている人が減っているという状況なのです。
同じ株価上昇でも出来高が違う理由
出来高が下落しているのに、株価が上昇する。これは何を意味しているのでしょうか?株価が上昇しているのは、株を買う人が増えているというよりも、株を買う人が少ないために株価が動きやすい状態になり、結果としてスルスル株価が上昇しているという状況なのです。つまり、活気がないから株価が上昇しているので、活気を伴った本物の株価上昇になる確率が低い状況だと考えることができます。
実は、このチャートは2011年春以降の日経平均株価のチャートです。欧州の債務危機問題に解決の目処が立てば、懸念材料の後退によって株を買う人が増えるかもしれません。もちろん、出来高だけを見て株価上昇が本物かを確実に判断できるわけでもありません。
今後出来高がどう変化するのか、その動きに注目しておいて損はないでしょう。