JR九州は駅も面白い
JR九州が注目の的だ。九州新幹線も開業以来、着実に乗客数が伸びているし、新幹線と組み合わせて乗る観光列車も人気だ。最近も「あそぼーい」(2011年6月デビュー)、「A列車で行こう」(2011年10月デビュー)と新顔が登場、評判となっている。しかし、JR九州の鉄道で面白いのは列車ばかりではない。鉄道旅行の玄関となる駅だって個性的なものが多いのだ。
今回は、あまたある駅の中から、レトロな人気駅と列車デザインで絶大な人気がある水戸岡鋭治氏がデザインした斬新な駅を紹介しよう。
レトロな駅
■門司港駅(鹿児島本線・福岡県北九州市門司区)
九州の玄関駅として一世を風靡したターミナル駅だったが、関門トンネル開通で門司駅にとって代わられ、その門司駅も新幹線開通で主役の座を滑り落ちた。
もはや門司港駅は地域密着のローカルな駅にすぎない。しかし、近年「門司港レトロ」という観光政策により、周辺のレトロな建物と一緒に観光資源となり、息を吹き返している。駅舎内も古風な造りとなり、近くの九州鉄道記念館とともに、鉄道ファンにとって人気スポットとなっている。
■折尾駅(鹿児島本線&筑豊本線・福岡県北九州市八幡西区)
鹿児島本線と筑豊本線が立体交差する珍しい駅。JRの2つの在来線が地上で立体交差する駅はあまりない。東京の秋葉原よりも古く、日本最初の立体交差駅と言われる。駅舎は1916年建造の木造洋風の建物で、大変風格のあるものだ。
しかし、周辺の立体交差による立て直しが計画されている。今の駅舎は移築保存の方針だが、予断を許さない状況でもあり、今後の運命がどのようになるか注目されている。
■嘉例川駅(肥薩線・鹿児島県霧島市)
築100年を越える名駅舎で、テレビの旅番組などで度々紹介され、すっかり有名になってしまった。駅自体が観光資源であり、特急「はやとの風」がこの駅で5分停車するのも、ひとえに駅見学のためである。意外に知られていないが、鹿児島空港の近くにあるので、時間に余裕があれば立寄るのもおススメである。
次ページではいよいよ水戸岡氏デザインの駅をご紹介。