お金が紙くずになったあの銘柄も!
――会計のプロですよね。決算書見てても分からないものですか。山田:決算書では分からないことの方が多いです。だからJALの株も持っていました。株主優待で買っている株は、悪くても優待があるからなかなか売れないんですよね。
――売らなかったんですか?
山田:最後は国がなんとかしてくれると思ってましたから。
――株券は今電子化されてありませんが、紙くずになったわけですね。これは、JAL株を持っていた読者を勇気づけますね、あの専門家も売れなかったんだから私が売れなかったのはしょうがないわって。
山田:悪銭身につかずですよ。
――元国語の先生になんですが、日本語の使い方が間違ってますよ。悪銭じゃないでしょ。
山田:株でも、ギャンブルでも、本でも一発当てたお金というのは、一生懸命働いたお金とは違うんですよ。お金に色はついていないんですが、同じ金額でも使う方の気持ちが違いますから。
横山:わかりますね。今までお金がなかったお客様が一生懸命働いて貯めた10万円は、やっぱり使えないって言いますもん。
失敗を経てお金の専門家はこう考える
横山:山口さんお金の失敗はないんですか?飛行機のキャンセル代で20万円が無断に
税理士になろうと思って、学校にお金を20万円修めたとたんに仕事が忙しくなって一度も授業に行けなかったり。
山田:そういう人がいないと学校の経営は成り立ちませんから、いいんですよ。学校はあらかじめ、来なくなる人の数を見込んでいるんです。だって、みんな来ちゃったら教室に入れないでしょ。
――慰められているんだか、何だか。もう立ち直ってますけど、その時はショックでしたよ。一生懸命働いて貯めたお金でしたからね。でも、『あの時……』ってずっと失敗したことに引きずられるより、次の目標を見つけた方がいいと思って。私は、税理士の仕事は山田先生にお願いして、自分はFPとしてみなさんに喜んでいただける仕事をしよう!と思いましたし、旅行ももっといい時期に、もっと楽しい旅行をしよう!と思ってお金を貯めてますよ。
横山:失敗や損は、それをどうとらえるかだと思うんですよね。私は、あの借金生活がなければ、『貯金生活シリーズ』は生まれなかったと思うし、今の横山はなかったと思いますよね。
――今は、借金している人をどう見ていらっしゃいますか?
横山:借金=悪という考え方もありますが、人に迷惑をかけずに、借金してまでやりたいことがあるんだったらそれはやってみるのもいいと思う。そういう人大好きです。
――確かに30代で行きたかった海外に、60歳で定年を迎えて行ってもきっとその国も変わっているし、同じ景色でも感じ方が違うと思いますね。これは借金のススメではありませんよ、念のため。山田先生、円高ですが、ドルを大人買いしたくなりませんか?
山田:何か仕込みたいとは思いますけど、FXはもうやりません。結局為替ってみんなの予想で動くんですよね。オバマがドル安にしたいと言っているからしばらく円高が続くだろうという予想で、円高が続いています。だからみんなの予想に振りまわされてもいい余裕資金でやるのが一番ですね。ロスカットになっても、株が含み損を抱えていても僕が借金をしなかったのは、貯えがあったからです。
――そこはさすがプロ。どんなに大損しても、想定内だったわけですね。
うちは子どものおこづかいはドルで渡しているんです
山田:ドルで?
横山:毎日為替を見るし、自分でいつ両替したら得だろうって考えるでしょ。
山田:なるほど、ドルコストおこづかいですね。
――まだまだ、みなさんを勇気づけるお金の話をしたいところですが、この続きはまた別の機会に。そうだ、3人とも名前に『山』が付くから、『トリプルマウンテン』って名前のトリオでも結成しますか。
横山:ホントだ、みんな山が付きますね。
――お金の専門家で仕事がなくなったら「こんにちは~、トリプルマウンテンで~す。ま~、我々もぼちぼちやってかなかんね~」なんて、やりますか。
山田:そっちの方が難しいと思いますね。
横山:うん。
――お後がよろしいようで、本日はありがとうございました。
■お金美人の教訓
- 教訓1:専門家でも相場の行方はわからない。一度に大きなお金を投資するのではなく、コツコツ運用しよう
- 教訓2:専門家でもお金に困ることはある。普段から家計のお金をしっかり把握し、管理しよう
- 教訓3:専門家でもお金をドブに捨てることはある。それをいつまでも損したと思わず、次の目標を見つけよう