男のこだわりグッズ/文房具・小道具

大事にするとラフに持ち歩くを両立する万年筆の鞘(2ページ目)

万年筆愛好者垂涎のペンケースだった岡本拓也氏による「グリマルディ」が、より実用的になって手に入りやすくなりました。徹底した適材適所の精神で革が選ばれ、オールハンドメイドで作られるペンケースは、大事な万年筆を守りながら、何処へでも持っていけるようにしてくれる鞘です。

納富 廉邦

執筆者:納富 廉邦

男のこだわりグッズガイド

より実用に徹した現場対応の「グリマルディ」

ペンシース03

円形に近い開口部が、スムーズにペンを出し入れできる秘密

「グリマルディSMT」は、グリマルディの機能はそのままに、より実用に徹して作られたものです。一方で、「グリマルディ」の趣味的な部分を拡大して作られた「グリマルディ・ff」もあり、このあたりは、用途や趣味に合わせて選ぶ感じになっています。「グリマルディSMT」の大きな魅力は、価格が手頃なこと。芯に至るまで革を使い、手縫いで一つ一つ製作するTakulamiの製品は、それだけにとても美しくて使いやすい反面、どうしても価格が高くなりがちですが、数十年使えて2万5000円程度なら手が届かない価格ではありません。

フラップをなくしたり、セミオーダーではなく、標準的な3サイズの既製品にしたり、使用する革の量を減らして軽量化したりと、実用的に仕上げたら、価格も下がったという事のようです。
ペンシース04

ペンが引っ掛かる事なくスムーズに入るのに、内部での遊びは少なく、ペンをしっかりとガードする

実際、ガイド納富は自分専用の「グリマルディ」をオーダーした際に、フラップは要らないと注文しました。カバンから出して、すぐに書きたいので、その都度フラップを開けるのが面倒だからです。ケースから出した後もフラップが無い方が見た目がスッキリするし、収納時も、そのまま入れられます。せっかく、スルリと気持ちよく出し入れできるのだから、フラップがない方が、より、そのスムーズさを味わえると思います。上部にストラップホールが開いているので、ここに革ひもなどを通して首から提げる事もできますが、その際も、フラップは無い方が使いやすい。

万年筆のスムーズな出し入れを実現しているのは、その開口部の形状です。通常、革をトンネル状に縫い付けると、相当キレイに縫われていて半円形、通常は、縫った部分から少し革が浮いて、そこから半円状にループを描いてます。ところが、グリマルディのシリーズでは、このSMTも含め、どれも、半円よりもさらに深い3分の2円くらいになっています。

万年筆は当然円形なので、半円ではかなり太くしないと入りません。グリマルディは、この開口部がかなり円に近いため、最小限のサイズでスムーズにペンが出し入れできるわけです。この縫製は手縫いでしか実現できませんし、相当高い技術が必要ですが、この技術あってこその、使いやすいペンケースなのです。

次のページでは「グリマルディ」のクオリティの高さを証明するディテールを紹介します。
  • 前のページへ
  • 1
  • 2
  • 3
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます