富士急ゆかりの貨車展示ゾーン
ブルートレイン客車が展示されている場所と少し離れた富士山駅方面の構内には、古くて黒塗りの貨車が3両連結されて展示されている。両側が車掌室付き有蓋車ワフ1と2、真ん中は屋根のない無蓋車ト104だ。ト104は1929(昭和4)年製の富士急生え抜きの由緒ある車両、ワフ2両は、関西の南海電鉄から譲り受けた車両で1978(昭和53)年3月の富士急での貨物営業廃止まで使用された。廃止後、構内で風雨にさらせれて荒廃していたものをこのたび化粧直しして一般公開となったものである。ブルートレインと合わせて、ミニ鉄道博物館となっている。
粋な、くつろぎのスペース、下吉田倶楽部
貨車展示ゾーンの前にある駅舎の一部が、下吉田倶楽部という寛ぎの場となっている。下吉田駅、富士山駅、富士登山電車をデザインした水戸岡鋭治氏がデザインしたスペースで、「日本一暖かい待合室」といううたい文句の通り、飲食の持ち込みOKだ。内部はテーブル席が多数あり、生ジュースなどのドリンクを注文したり、富士登山電車のイラストがラベルに描かれたミネラルウォーターのペットボトルも販売されている。他には、ブルートレイン・グッズも展示販売していて、ファン必見の場所だ。
◆営業時間 9:00~17:00
※ラストオーダーは16:30
◆定休日 毎月第1月曜日(月曜日が祝日の場合は翌日)
2009年7月に、下吉田駅駅舎とホームが水戸岡氏によりリニューアルされて以来、今回のブルートレインテラスのオープンで、下吉田駅構内はイベントスペースとして充実した場所となった。2011年7月1日の富士山駅改名オープンと合わせ、富士急行線沿線は楽しい駅構内が一気に増えた。富士山や富士五湖周辺の観光のみならず、鉄道を楽しむのも一興であろう。
今後は、ブルートレイン客車を少しの距離でも動かせるかどうか、まだ夢想の段階ではあるが、検討事項として考えられているようだ。目が離せない富士急行線である。
<関連記事>
・富士急行富士吉田駅、富士山駅に改名リニューアル