鉄道/駅、鉄道グッズ

富士急行下吉田駅にオープンしたブルートレインテラス

富士急行富士山駅の二つ隣の小さな駅である下吉田は、2009年に駅舎とホームが水戸岡氏のデザインによってリニューアルされたが、2011年4月には、往年のブルートレイン「富士」の寝台車が構内に展示され、ブルートレインテラスとして憩いの場所として一般開放されている。昔、富士急で使われた貨車も併せて展示され、下吉田倶楽部というカフェスペースにはブルトレグッズの展示販売もされるなどミニ鉄道博物館の様相を呈している

野田 隆

執筆者:野田 隆

鉄道ガイド

下吉田駅のブルートレインテラス

ブルートレイン

下吉田駅に横付けされたブルートレインの寝台車

山梨県の大月と河口湖を結ぶ富士急行線。その沿線の小さな駅である下吉田に2011年4月29日「下吉田駅ブルートレインテラス」がオープンした。旧国鉄時代からJRの時代にかけてブルートレインとして実際に使われた青い客車で、列車の最後尾に連結されていたものだ。テールマークは「富士」。車両側面の行先表示幕(サボ)には「西鹿児島行き特急富士」と書かれている。もちろん富士急行線を走ったことのない車両だが、「富士」が取り持つ縁ということで、はるばる下吉田駅にやってきて保存されることになったものである。

ブルートレイン「富士」の寝台車

富士のテールマーク

富士のテールマークが着いた寝台車

西鹿児島行き

西鹿児島行き富士の行き先表示幕

このスハネフ14形20号車は、九州ブルートレインや寝台特急「北陸」に使われた寝台車だが、実際に「富士」として走ったことはない。けれど、同じスハネフ14形の別の車両が晩年の「富士」に使われたので、見ていて不自然ということはない。その旨は、テラスの説明板に記されている。

 

寝台車内部

寝台車内部は当時のままだ

車内は使用当時のままに保存されている。二段ベッドはそのままの状態でカーテンは設置されているものの、シーツなどの寝具は備えられていない。ちょっと横になって一休みすることはできそうだ。ヨーロッパのコンパートメント車両のように片側に通路があり、奥まで進むと洗面所とトイレがある。今となっては懐かしい旧式のものだ。きれいに手入れされているが、使用することはできない。あくまで見学用である。

車内に入れるのは、土休日のみだが、その際は、床下のディーゼルエンジンで発電して、車内灯をつけ、冷暖房も入れる。その匂いや音は、現役時代のブルートレインの再現となる。走ることはできないが、東京駅や九州各地の駅で停車中のブルートレインを彷彿とさせるものとなろう。

ブルートレイン

ホームから眺めたブルートレイン

寝台車が停車中のホームは、屋根はないものの、それに隣接したスペースは木張りのフロアとなってかなり広くテラスに改装されている。木製のテーブルと一体となったベンチは4人掛け。ファミリーやグループで寛げる。
富士急の電車が発着するホームからブルートレインを眺めるアングルでは、晴れていれば背後に富士山が見える。ブルートレイン「富士」と富士山の組み合わせが撮影できるだろう。

◆開放時間  10:00~16:00
◆休園日    毎月第1月曜日(月曜日が祝祭日の場合は翌日)
◆入園料    おとな・こども100円
※電車利用でブルートレインテラスを見学の際は駅改札口にて「入場証」を受取ること。
※ブルートレインテラスのみ利用のときは駅窓口にて入場券(100円)を購入のこと。普通入場券でホーム・ブルートレインテラス・貨車ゾーンも入場可。
◆車両開放時間  毎週土休日の午前11:00~12:00と13:30~15:30

次のページでは、貨車展示ゾーンと下吉田倶楽部を見てみよう
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