ディアジオ ワールドクラス 2011ジャパンチャンピオン決定
“Raising the Bar”バーの興隆を目的とし、世界のベストバーテンダーを決定する「ディアジオ ワールドクラス 2011」の日本大会最終実技審査が6月12日、13日に行われた。
ファイナリスト10名は2日間にわたり4種類の実技審査に挑戦したが、この内容がおもしろい。
Food Matching Challenge:用意された6つのフードから2つを選び、そのフードにあったカクテルを1つずつ作る。
どれも、常日頃から積み上げてきた高い技術が必要であるばかりでなく、その場その場でのアイデアや機転、柔軟な対応が求められるもの。
しかも、それを「客」としてカウンターに座った審査員を楽しませながらパフォーマンスするのだから、本当に大人の真剣勝負。日本のトップバーテンダーたちであっても、緊張でお酒をこぼしたりと、まさかの場面が見られ、見守る観客もどきどき。
そんな激戦を制し、見事優勝したのは、セルリアンタワー東急ホテル「タワーズ バー ベロビスト」の大竹学さん。 優勝の感想を尋ねると「過去2度参加し涙を飲んだが、今年は落ち着いてパフォーマンスできたのがよかったと思う」とのこと。
上野秀嗣審査員長も総評として「日本のバーテンダー技術は高く、世界中から尊敬のまなざしをもって見られている。ただ今回、極度の緊張からかお酒をこぼしても拭かないということも見られた。日本のバーテンダーが大事にしてきた丁寧な仕事を今一度大事にしてほしい」と言うように、落ち着いた丁寧な振る舞いがやはり大切なようだ。
この後、大竹さんは、7月にインド・ニューデリーで行われる世界大会に出場。34カ国34人の世界ファイナリストとして、4日間で6種類の実技審査に挑む。
またこの実技審査がインドならではで、Asian food matchingなど、興味深いもの。
今年は会場がアジアということもあり、大竹さんの活躍を期待したい。
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ディアジオ ワールドクラス2011
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審査採点中は、昨年の日本大会優勝者で世界大会9位の渡辺匠さんと、昨年の台湾大会優勝者で世界大会6位のアンガス・ゾウさんによる実演が。
世界を相手に戦った経験は伊達ではないようで、ワンランク上の完成度の高さと、魅せるパフォーマンスで会場を大きく盛り上げた。 渡辺匠さん(奈良・ザ セイリング バー)の代名詞的スピリッツ「タンカレー ナンバーテン」を使ったブラッディー・サム。古典のレシピを大切にしながらも、現代版に再構築。ハーブもふんだんに入り、飲むと健康になれそうなカクテルを瓶に入れおしゃれにサーブ。
ブルー・ブレイザー(青い炎をつけたカクテル)をさらにドライアイスで冷やしコールドにする昨年世界大会6位の台湾チャンピオン、アンガス・ゾウ。客の心を捉えて離さないパフォーマンスと繊細な味は、さすがにプロフェッショナルだ。