過敏性腸症候群(IBS)とは

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過敏性腸症候群は、下痢がひどい場合などは日常生活に大きな影響を与えます。

便秘や下痢などの便通異常と、腹痛やお腹が張るなどといった腹部症状があり、その原因となる病態がはっきりしない場合、1930年代にはこれらを「大腸炎」と呼んでいました。

これが「刺激結腸」という呼び方に変わり、1960年代後半くらいから「過敏性腸症候群」という名前で定着するようになってきました。

「過敏性腸症候群(Irritable Bowel Syndrome 通称 IBS)」は、主に大腸の運動、および分泌機能の異常で起こる病気の総称です。

この病気になると、レントゲン検査や内視鏡検査をしても潰瘍や癌などがはっきりした病変がないのに、腹痛や下痢、便秘、ガス過多による下腹部の張りなどの症状が起こります。以前は大腸の機能の異常によって引き起こされる病気ということで「過敏性大腸症候群」と呼ばれていましたが、最近では大腸だけではなく、小腸にも関係することなどから「過敏性腸症候群」と呼ばれるようになりました。

過敏性腸症候群(IBS)の原因

過敏性腸症候群の原因は一つではありませんが、腸と脳(ストレス)の関係も一因と言われています。腸と脳は、「脳腸相関」といって、実は密接な関係があります。というのも、腸には脳と同じ神経が多く分布し、それらは自律神経でつながっているからです。

脳が不安や精神的圧迫などのストレスを受けると、自律神経を介してストレスが胃や腸に伝達され、胃腸の運動異常を引き起こし、腹痛や便通異常が発生してしまいます。また、下痢や便秘などの腸の不調も、自律神経を介して脳にストレスを与えます。つまり、脳腸相関によって、ストレスの悪循環が形成されてしまうのです。過敏性腸症候群の場合は特に腸が敏感になっているため、ちょっとしたストレスにも反応します。また、少しの腹痛でも脳は敏感にキャッチし、不安も症状も増幅していきます。

もちろん過敏性腸症候群の原因はストレスだけではありません。食生活や睡眠などの生活リズムの乱れも、腸の症状に大きく影響を及ぼします。

過敏性腸症候群(IBS)の症状

主な症状は便通異常。大まかに以下の3種類に分類できます。

■下痢型
慢性の下痢が続きます。便に粘液が混ざることがありますが、血便になることはなく、また下痢による体重の減少も見られません。腸のぜん動運動が活発になり、腸の内容物が急速に運搬されてしまうためにこのような便になると考えられています。特に、胃に食物が入ると大腸が動きやすくなるため、食事をするたびに下痢が発生することもしばしばです。

■便秘型
腹痛があり、便意があっても便が出にくく、ウサギの糞のようなコロコロとした便が特徴。腸の内容物を運搬するぜん動運動が低下し、また大腸のS状結腸という部分に異常な収縮運動が起こるため、便がせき止められてしまい、この様な便になると考えられます。

■下痢便秘交替型
下痢の症状が数日続いたかと思うと、今度は便秘の症状が出て、コロコロした便や細い便が出るといったことが繰り返されます。

それ以外の症状としては、お腹がゴロゴロする、ガスが溜まるといった腹部症状のほか、疲労感、頭痛、発汗、動悸などの自律神経失調の症状、不安感や抑うつ感などの精神症状を伴うこともあります。
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