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今年も続行! 自動車アセスメントの存在意義とは?(2ページ目)

昨年4月に行われた事業仕分けで12人の評価者のうち5人が「廃止」とし、5人から「予算圧縮の上、他の法人で実施」という厳しい評価を受けた自動車事故対策機能の『自動車アセスメント』ながら、そんな意見など100%無視。今年も試験結果を公表し、来年も存続させるという。

国沢 光宏

執筆者:国沢 光宏

車ガイド

8割近くが最高点を獲得


自動車アセスメント

クルマには欠かせない「安全」という要素。もちろん一般の人にも伝わるよう分かりやすいものであるべきだが、それ以前に試験自体の項目も問われてくる

本来なら最も多い3割のオフセット率の評価を行えばいけれど、海外の基準を鵜呑みにしたものだから10年以上も4割オフセット率のまんま。事前に試験問題が解っている受験勉強を毎年やっているのと同じで、今年の結果を見たら14車種のうち、11車種は最高点となってしまった。

4割のオフセット衝突は国交省の型式認証試験の内容にもなっているので、そのデータを使えばいい。もし別個に試験を行うなら、最も多い事故形態である3割や5割のオフセット衝突を行ったらいいと思う。「想定試験問題」にないため、車種によって全く違う結果になると考えます。

輸入車が圧倒的に不利


また、輸入車にとって不利な内容となっている。今年はフォルクスワーゲン・ポロの対人頭部傷害評価がレベル2と極めて悪かった。たまたま頭部を燃したダミーを衝突させた場所に、左ハンドル用のワイパーステーがあったという。国産車にも同じようなウィークポイントはあるものの、ブツける場所を指定可能。したがって有利な場所に衝突させられる。

しかし輸入車のインポーターは車体の内部構造など解らないため、運次第で厳しい数字になってしまう。追加試験を受けることも出来るというが、1回50万円ほどかかるそうな。輸入車だとコストパフォーマンスを考え、断念するとのこと。

ということで現状のままであれば自動車アセスメントの存在意義は限りなくゼロに近い。安全性ということなら国交省のデータを使えばいい、そもそも同じ内容の試験をやること自体、ムダ遣いだと考える。でなければ毎年違う内容の試験を行ってみること。そうすれば自動車メーカーの実力が解る。
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