癌(がん)/がん検診・PET検査

医師として受けてみた最新がん検診 (後編)

40代に突入して、一度は受けておきたいと思っていたがん検診に行ってきました。医療機関には日常的に出入りしているガイドも、最新の人間ドックの進歩には驚くことも多かったです。私が受けた検診についてご紹介します。

狭間 研至

執筆者:狭間 研至

医師 / 癌ガイド

続いては医師による問診と診察

診察

ベテランの優しそうな先生から問診を受けます。この後、きちんと診察していただきました。

続いて、医師による問診と診察です。診察室の前の椅子で腰掛けて待ちながら、ちょっとドキドキ。名前を呼ばれて部屋の中に入ると、ベテランの優しそうな先生がにこやかに座っておられました。

今までかかった病気や受けた手術、飲んでいる薬など、あらかじめ提出した問診票をもとに話をした後、診察に移ります。

首のリンパ節に腫れがないか、甲状腺、鎖骨の上と、丁寧に診察していただきます。肺や心臓の音もじっくりと時間をかけてみて頂きます。そのあとは、ベッドに横になって、腹部の診察です。まさに、医学部の時に教科書で学んだように、腹部をしっかり押さえながら、肝臓、腎臓、腹部全体の触診が行われました。

自分自身も医師として多くの方の診察をしていますが、本当に、しっかり診て頂いたなぁと感じただけでなく、自分自身が診察する上でも勉強になりました。

胸部CT、骨盤MRI、そしてPET検査へ

この後は、エレベーターでフロアーを移動。ここも担当のスタッフの方が誘導して下さるので、広いクリニックの中を迷わずに進めます。

まずは、胸部CTから。私は専門が肺がんでしたが、最近のCTの精度には目を見張るものがあります。非喫煙者の肺がんも少なくないですし、また、肺がんはなかなか症状が出にくいという特徴もあるので、まずはしっかりチェックしておきたい内容でした。

最新のCT検査装置だったので、あっという間に検査が終了し、次は腹部のMRIを。腹部の超音波検査では見づらい膵臓や、前立腺などもきちんとチェック。MRIは多少狭い空間に入っていくので、少し苦手な方もいらっしゃるのですが、時間が短かったこともあり、私は案外平気でした。

そして、いよいよ検診当日のクライマックスのPET検査に進みます。 PET検査はがん細胞がブドウ糖をたくさん消費する性質を活かした、放射性同位元素を用いる最新のがん検診です。事前に試薬を注射するのですが、このときに採血も完了しますので、体に針を刺すのも1回で済むというのは、ありがたい配慮でした。

PET検査の準備

PET検査は薬剤の注射後、少し休憩します。仮眠直後のためか、ちょっと表情が怪しい私です。

PET検査は注射後、1時間ほどお休みの時間があります。この間は本を読むなどもせず、ぼんやり過ごすのが検査の精度を上げるポイントということですが、おちついた半個室のブースにオットマン付きのソファーと膝掛けが用意されています。検査も後半。少し緊張気味の体には丁度よい急速でした。

時間になるときちんと連絡が入り、いよいよ検査室に。広い部屋に鎮座するPETの機械。最新鋭にふさわしい迫力が部屋の中に満ちていました。機械のベッドに横になると、てきぱきとスタッフの方が準備をして下さって、いよいよ機械の中へ。

PET検査

いよいよPETの機械の中へ……。自分で受けるとなると、やっぱり緊張してますね。

体全体をチェックするので20分ほど時間はかかりましたが、無事、何事もなく終了。朝9時過ぎに始まった検診は、午後1時半ごろには終わりました。意外に、あっという間でした。

終了後は、着替えて受け付けに降り、精算。カードも使えました。その際、近くのレストランで使えるお食事券をいただきました。緊張が解けたのか急に空腹を覚えたので、そのままお蕎麦屋さんに直行して、定食をいただいて帰りました。

がん検診の検査結果は郵送にて

検査結果

検査結果は、10日ほどで指定の場所に届きます。私は自宅に届けて頂きましたが、検査結果と詳しい資料、そして、画像データの入ったCD-Rも同封されていました。

検査の結果は、ほぼ10日ほどで、手元に届きます。詳しい解説書と、画像データが入ったCD-Rも同封されていました。

結果は、幸い私の場合には大きな異常はありませんでした。正直、ほっとしするとともに、体の状態はまぁひと安心ということで、気持ちはすっきりすがすがしくなり、また仕事をがんばろう!という気持ちが湧いてきました。

まだ、40代前半ですので、次のPET検査は3~4年後でよいかと思いますが、健康管理のために、私もまた受けてみたいと思いました。
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