指宿とJR最南端の駅・西大山
指宿に到着してドアが開くと、また上からミストが噴出し、たまて箱の演出だ。地元の歓迎を受けながら、乗客は三々五々目的地へ向かう。指宿は温泉地で、とりわけ砂むし温泉が有名だ。熱を帯びた砂に埋まって、心地よい時間を過ごしたいものだ。ホームでは、折り返し鹿児島中央行きの「指宿のたまて箱」に乗る人たちでごった返していた。列車は、数分間の折り返し時間で慌しく鹿児島中央へと戻っていく。僅か1編成で、1日3往復をこなす働き者である。
この列車は、指宿で折り返すが、指宿枕崎線は、この先、枕崎まで延びている。列車本数は、一駅先の山川(JR最南端の有人駅)から先は大幅に減少し、不便になる。しかし、山川の二つ先にある西大山駅の存在を忘れてはならない。JR最南端の駅として有名だからだ。ホームからは、薩摩富士とも呼ばれる開聞岳の優美な姿がよく見える。ここまで来たなら、なんとしても訪問したい。観光タクシーで訪れる人も多いが、列車で降り立つのが正道であろう。なお、西大山は無人駅なので、記念入場券は指宿駅で販売している。
従来は、訪問するのが不便だったが、「指宿のたまて箱」デビューと同時に、下記のような列車利用の周遊プランができた(土休日、ゴールデンウィーク、学校の長期休業期間のみ)。
●指宿発13:17⇒(普通列車)⇒西大山着13:36、
●観光バス「ディスカバリーIBUSUKI号」
西大山発13:45⇒竜宮岬⇒金魚草の花畑⇒山川砂むし温泉砂湯里⇒西大山着16:35
●西大山発16:45⇒(普通列車)⇒指宿着17:01⇒鹿児島中央着18:21
バスのみの利用はできない。予約、料金など詳しくは、こちら
最後に、「指宿のたまて箱」のダイヤと、新幹線のアクセス列車をご案内。