白い煙に歓迎されて、いざ乗車!
ドアが開いて、いざ乗車。すると、ドアの上から白い煙のようなものが盛大に出てくる。ディーゼルカーだから、排気ガスかなと思ったが、様子が違う。第一、白い排気ガスなんておかしい。油臭くはないし、霧のようでもある。実は、これは乗車歓迎の演出で、浦島太郎が玉手箱を開けたら出てきた煙をイメージしたミストである。真っ先に乗り込んで振り返ると、年配の女性が大勢いる。みんな浦島太郎みたいに年老いてしまったのだろうか? 自分はどうかと窓ガラスに映った姿を確認したが、いつもと変わりないので安心した(笑)。「指宿のたまて箱」をデザインしたのは、九州新幹線をはじめとするJR九州の各種列車のデザインを担当した水戸岡鋭治氏だ。海側で窓を向いた座席、応接間風のソファーと棚、子供用のベビーサークルに可愛らしい小さな椅子、隣の車両に移る連結部分に掛けられた「のれん」と水戸岡ワールド全開のインテリアだ。
棚の一角には、たまて箱のイラストがいくつも描かれた収納スペースがある。扉を開けると、たまて箱が出てきそうだが、うかつにあけて、本当に白髪の老人になってしまうのも嫌なので、遠巻きに眺めるだけにした。
さて、鹿児島中央駅を出発。指宿へ向かう。