鉄道/観光・イベント列車

南九州を走るユニークな観光特急「指宿のたまて箱」(2ページ目)

九州新幹線全線開業を機して、JR最南端の路線・指宿枕崎線に新しくユニークな観光特急列車「指宿のたまて箱」が走り始めた。JR九州の個性的な列車群のデザインを手がける水戸岡鋭治氏の最新作でもあるこの列車は、型破りのところが多々ある。外観も車内もユニークな列車は、九州新幹線で鹿児島中央に着いた客をさらに南の温泉地・指宿へといざなってくれる。関西から日帰りも可能になった南九州。その旅の魅力を紹介しよう。

野田 隆

執筆者:野田 隆

鉄道ガイド

白い煙に歓迎されて、いざ乗車!

飾りで賑やかな車内

ポスターやイラストで賑やかな車内、海側の席は窓を向いている

白い煙が歓迎

たまて箱らしくドアが開くと白い煙が大歓迎

ドアが開いて、いざ乗車。すると、ドアの上から白い煙のようなものが盛大に出てくる。ディーゼルカーだから、排気ガスかなと思ったが、様子が違う。第一、白い排気ガスなんておかしい。油臭くはないし、霧のようでもある。実は、これは乗車歓迎の演出で、浦島太郎が玉手箱を開けたら出てきた煙をイメージしたミストである。真っ先に乗り込んで振り返ると、年配の女性が大勢いる。みんな浦島太郎みたいに年老いてしまったのだろうか? 自分はどうかと窓ガラスに映った姿を確認したが、いつもと変わりないので安心した(笑)。

 

ソファーと本棚

邸宅の応接間のようなソファーと本棚

「指宿のたまて箱」をデザインしたのは、九州新幹線をはじめとするJR九州の各種列車のデザインを担当した水戸岡鋭治氏だ。海側で窓を向いた座席、応接間風のソファーと棚、子供用のベビーサークルに可愛らしい小さな椅子、隣の車両に移る連結部分に掛けられた「のれん」と水戸岡ワールド全開のインテリアだ。

 

たまて箱のケース

たまて箱が入っているショーケース

棚の一角には、たまて箱のイラストがいくつも描かれた収納スペースがある。扉を開けると、たまて箱が出てきそうだが、うかつにあけて、本当に白髪の老人になってしまうのも嫌なので、遠巻きに眺めるだけにした。

さて、鹿児島中央駅を出発。指宿へ向かう。

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