家計簿・家計管理/家計管理の関連情報

家でパンを焼いたら節約になる? 便利家電はお得?

節約志向が高まる中、手作り弁当に代表されるように、「家で作れば節約になる?」ということで、最近、注目されているのがホームベーカリーです。惣菜やパンを定期的に買うより、自分で作ってしまった方が本当にお得なのでしょうか? 食パン1斤作るのにかかる費用を試算してみました。

平野 泰嗣

執筆者:平野 泰嗣

ふたりで学ぶマネー術ガイド

  • Comment Page Icon

ホームベーカリーで食パン1斤つくるコストは?

食パン1斤、家で焼いたらどのくらいの費用でできるのでしょうか?

食パン1斤、家で焼いたらどのくらいの費用でできるのでしょうか?

ホームベーカリーの購入を検討されている人は、実際にどのくらいでパンができるのが気になるところです。そこで、食パン1斤作るのにどのぐらいの費用がかかるか、計算してみました。

試算に際しては、Panasonic(R)のホームベーカリーSD-BMS102(1斤タイプ)の取扱説明書に記載している「早焼き食パン」(6枚切り)を参考にしました。必要な材料に対する価格は、スーパーの品ぞろえの中から標準的なものをピックアップし、使用量ごとの価格を算出しました。

【食パン1斤の材料と価格】
・強力粉 280g:98円    (2kg/700円)
・バター  10g:17.9円    (200g/358円)
・砂糖   17g:3.7円    (1kg/218円)
・スキムミルク 6g:8.9円    (225g/335円)
・塩    5g:0.5円    (1kg/110円)
・冷水  200ml:18.4円    (1.5L/138円)
・ドライイースト 4.2g:20.9円    (50g/249円)
合計 168.3円
※食パンのレシピは、使用する機種によって異なります。上記は、参考例です。


出来たて食パン1斤の価値は?

パン1斤作るのにかかる材料費は、168.3円でした。これは微妙な金額ですね。スーパーで一般的に売られているパンならこれよりも安いものもありますし、パン屋さんの焼き立てパン1斤は、きっとこれよりも高いでしょう。

例に挙げた材料の価格を見て、「私だったらもっと安く材料を買うことができる」と思われる方もいらっしゃるでしょう。確かに特売品や業務用などを選べば、もっと安く買うことができるかもしれません。けれども、どんなに頑張っても大量に材料を仕入れて作るパンメーカーの食パンの特売品には価格の面では敵わないでしょう。また、ホームベーカリーの購入費用も考えなければなりません。試算に使った機種の実勢価格は2万円程度(2011.1.12現在)なので、2日に1回、5年間使用するとした場合、1回焼くのに22円のコスト計算になります。


便利家電は、節約度(お金)・手軽さ(時間)・
楽しさ(付加価値)の3つの観点で費用対効果を考える

一方、出来上がったパンを手作りの焼き立てだから300円くらいの価値がある、と見込めば購入費用(初期投資)も2日に1回使用するとして、約1年で回収できる計算になります。また、ホームベーカリーは、単に食パンを焼くだけではなく、いろいろな調理パンを作ることや、最近はお米から流行りの米粉パンを作ることができる機種もあり、調理できるパンのバリエーションも豊富です。そうすると、いろいろなパンを作るのが楽しくなります。そう考えると、単に節約のための調理道具とは言えなくなりますね。

最近の家電を見ると、単に省エネなどの節約(お金)だけではなく、家事の手間を削減する省力・時間短縮や、家事や調理に健康や楽しみなどの付加価値という要素が入っています。結局のところ、お金・時間・付加価値の3つの視点を抜きにお得度(費用対効果)を計ることはできません。

節約のためにホームベーカリーを購入して、自家製パンづくりにハマってしまって、食費がかえって増えてしまったということだけにはならないように注意しましょう。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます