遺贈とは
包括遺贈と特定遺贈の違いは?
遺言を書いた人のことを「遺言者」といいます。一方、遺産を取得する人のことを「受遺者」といいます。遺言者は、誰でも(法人や胎児も可)受遺者にすることができます。ただし、遺言者が死亡したときに生存していなければいけません。
遺言者が死亡した時(遺言の効力発生時)に受遺者として指定された人が死亡している場合には、その人への遺贈は無効になります。指定された人の相続人が代わって取得できるわけではありません。
遺贈と相続の違い
遺贈には、“相続人に対するもの”と“相続人以外の者に対するもの”があります。相続人に対する遺贈は遺産分割方法の指定や相続分の指定などと解釈し、「相続」として扱います。従って、一般的に「遺贈」というと相続人以外の者に対するものを指します(もちろん相続人に対しても「遺贈」することはできます)。遺贈には「包括遺贈」と「特定遺贈」がある
遺贈には、遺産の与え方によって「包括遺贈」と「特定遺贈」の2つがあります。■包括遺贈
包括遺贈とは、遺産を一定の割合で取得させることです。相続人以外で包括遺贈により遺産を取得した者のことを「包括受遺者」といいます。包括受遺者は、「相続人と同一の権利義務」を有します。従って、債務も包括遺贈の割合で承継します。注意すべきは、包括遺贈は相続財産の個々の物件に対してのものではなく、全体に対する割合であることです。
(例)「遺産の1/2を遺贈する」「全財産を贈与する」など
■特定遺贈
一方、特定遺贈とは、特定の財産だけを取得させることです。
(例)「A土地を遺贈する」「A土地の1/3を遺贈するなど
遺贈は放棄できる?
遺言は遺言者の一方的な意思表示ですから、「もらわない」という選択も可能であるため、遺贈は放棄することも出来ます。なお包括遺贈は「相続人と同一の権利義務」を有するため、通常の相続と同様に「自己のために遺贈があったことを知った日から3ヶ月以内」に放棄を行なわなければいけません。一方、特定遺贈は遺言者の死亡後、いつでも放棄できます。
>>被相続人が死亡後にお願いしたいことがあるときに利用する「負担付遺贈」とは