北関東、上信電鉄の999電車
もうひとつ、群馬県の上信電鉄にも999のラッピング電車がある。こちらは地域おこしのために結成された地元の団体が音頭を取り、それに共感した松本零士さんの協力があって実現した車両である。元西武鉄道の電車にラッピングを施したものなので、西武池袋線のものと似ている気がしないでもないが、本家が八両編成なのに対し、こちらは二両編成と、いかにもローカル線らしい。それと前面のデザインはシンプルでおとなしい。あくまで、サイドのデザインで勝負といったところだ。一方、車内は、天井を中心に999のキャラクターが描かれて賑やかである。銀河をイメージした天空は天井画にふさわしい。富岡製糸工場の世界遺産登録を願う文言も、地域密着の姿勢が現れていて好ましく思える。
川を渡り、のどかな田園地帯を走る。単線なので、ところどころで対向電車とすれ違うが、どれも派手なラッピングに身を纏っているのが面白い。 ネギとコンニャクが名物の終点・下仁田。駅では999の記念入場券も売っている。一日フリー乗車券も999がデザインされていたし、人気キャラクターを描いたラッピング車両は、話題性と客寄せと言う点では、成功しているようである。