綱渡り的に行き来する京急蒲田付近の空港線
京急蒲田駅付近は高架工事の真っ最中で、今のところ、品川方面への上り線だけが高架になり、下り方面はまだ地上を走っている。従って、空港線も都心からの羽田空港行きは、地上を走り、空港から都心方面へ向かう電車は新しい高架線を走っている。ところが、横浜方面から羽田空港へ向かうエアポート急行は高架の上り線にある京急蒲田駅のホームに到着するので、そこでバックして空港線に入るには、高架の上り線を空港方面へ逆走せざるをえない。品川方面行きの電車と正面衝突しないようなダイヤで綱渡り的に走って、次の糀谷(こうじや)駅の先にある分岐ポイントでようやく下り線に進入するのだ。空港発横浜方面行きの電車は、糀谷駅手前で上り線から地上の下り線に入り、品川方面からやってくる電車と正面衝突しないようなダイヤで京急蒲田の地上ホームへ進入し、ここで向きを変えて、下り線を横浜方面へ走っていく。
要するに、空港線の京急蒲田と糀谷間は、複線の線路があるものの、二つの線路共に上下両方の電車が行き来しているのだ。単線並列と解した方がいいだろう。それにしても複雑なダイヤだが、綱渡り的なことが得意な京急らしいやりかただとも言える。
京急蒲田の高架工事が完了しても、二段構造の高架のため、空港線の単線並列が解消するわけではない。上下線を入れ替える分岐点が糀谷駅の先から手前に移動するだけだそうだが、それでも単線並列区間は短くなるわけだから、多少ダイヤの設定が楽にはなるようだ。
ともあれ、ふたつのルートが拮抗する都心から羽田空港への鉄道アクセス。出発駅によって、どちらを選ぶか、よく比較検討してみよう。