パワーは必要十分

インパネ
ML350ブルーテック4マチックは、左ハンドルのみの設定であること以外、ガソリンのML350と大きな違いはない。チルト&テレスコのステアリングやシート調整機能でドラポジを決めやすい。快適、安全装備の充実具合は800万円超のクルマにふさわしい
スペックを眺めると211ps/55.1kg-mと、ガソリンの272ps/35.7kg-mよりもパワーは劣るが最大トルクでは大きく上回っている。しかし、スペックほどの力強いトルクは感じられない。意外ではあるが、2290kgという超ヘビー級の車両重量を考えれば妥当だろうか。もちろん、少し意識して踏み込んでやればスルスルと速度を乗せるし、高速域でのパワーも日本ではなんら不足とはいえない。

エンジンは音質面でディーゼルらしさを感じさせるが、回転フィールも思ったほど滑らかという感じではない。期待値が高すぎたためだろうか、もう少し上質に回ってくれるかなと思ったが、実用エンジンの域を出ないのがやや残念ではある。走る楽しさでいえばガソリン仕様の方が上手だ。しかし、マイルドな乗り心地も含めるとファミリーユースのSUVとしては十分に合格点といえる走り味だ。

元は取れるか?

シート
シートは前後ともにゆったりしている。横方向はもちろん、頭上にも十分な余裕があり、身長185cm超の大人が4人座っても窮屈感はないはず。後席はダブルフォールディング式を採用し、荷室の拡大も容易だ。フロアが高いがサイドステップが備わるので乗降は慣れてしまうと楽
814万円という車両価格は、ガソリン仕様の756万円よりも58万円高い。しかし、ガソリンのML350はプレミアムを指定するから、軽油との価格差はリッターあたり約30円にもなる。走行距離により元を取れるかは変わってくるが、かなり距離を走る人には悩ましい選択になるだろう。個人的にはガソリン仕様のフィーリングが好みだが、ロングツアラーとして一級の性能なのは間違いなく、高速道路を使って長距離を走るならML350ブルーテックを選択するかもしれない。

なお、今回の試乗では210kmを走り、30Lの軽油を消費した。トータル燃費は7km/Lだが高速道路中心なら10km/L台も可能だ。走行コースは高速道路が約80km、残りが渋滞にも遭遇した一般道、アップダウンの激しい山岳路が中心だっただけに健闘といえるだろう。
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