イヤな時にこそ投資の始めどき
「相場環境を考えると、しばらくは日本株投資を始めるいいタイミングが続きそう」と村瀬さんは話します。「アメリカには景気減速懸念があり、欧州にも不安材料があるなど外部環境が不透明です。しかも、円高で国内の企業も輸出企業を中心に業績悪化が懸念されているうえ、株式市場の出来高も少ない。この状況は短期間では好転しないでしょう」
こう聞くと、いつ株価が上がるともわからない、投資しにくいタイミングだと思う人も多いでしょう。
「ですが、このように投資家が見向きもしない、『イヤなとき』に買ってこそ、後で大きな利益を得られる可能性が高いのです」
「人の行く裏に道あり花の山」という投資格言にもあるように、株式市場では、他の人と違う行動を取らなくては大成功をおさめることはできないのです。
買い方にもコツがある
ただし、日本株投資を始めるチャンスだからといって、自分が「有望」と思える銘柄1銘柄に全力投球するのは避けたいもの。仮に30万円のお金があるなら、10万円で買える1銘柄を3単元買うのではなく、10万円で買える銘柄3銘柄に分散投資するべきです。「同じ銘柄を3単元買った場合、それを売る時に、1人の投資家が3単元全部を買ってくれるとは限りません。全部売り切るには、3倍のパワーで上がり、3倍のパワーの買い余力(買い手)が存在する必要があります。それは、かなり大変なことです」
株を買う時には、のちのち売る時のことも考えて、銘柄を分散し、できれば同じ業種の銘柄でも早く上がる株、少し遅れて上がる株、もっと遅れて上がる株を見つけて、分散投資するといいでしょう。
小回り投資に向く銘柄はどうやって見つける?
取材・文/大山弘子 監修/深野康彦(ファイナンシャル・プランナー)、 村瀬 智一(株式会社フィスコ)