確かに安くて飛びついたけど……
手ごろな価格で素敵な浴室にリフォームできるとしたら、きっと気持ちが動いてしまう方も多いはずです。 |
問い合わせてみると幸いなことに、Aさんの住まいの浴室にちょうどピッタリサイズのものがあり、工事費用もチラシに記載されている69.8万円で可能だと言うので、すぐにリフォーム業者の担当者を呼びました。Aさん家族は、お風呂に対してのこだわりも特になく、パック価格に含まれる仕様で問題ないということになり、打ち合わせてから間もなく工事を依頼することにしました。
交換工事費って、設備の入れ替え工事だけ!?
水回りのリフォームの場合は、築年数などを考慮し、配管の交換や構造部の補修を見積っておきましょう。 |
「給湯管が傷んでいるから、いずれ漏水になるかもしれないですよ。」
Aさんは驚きました。今回依頼したリフォームに、給湯管の交換も含まれていると思ったからです。急いでリフォーム業者の担当者に連絡を取ると、「それは含まれていません。」の一言。チラシをよく見てみると「既設給水・給湯管接続工事」という記載になっています。これは、現在の給水管と給湯管を新しい浴室設備に「接続」する工事という意味であって、「交換」ではありません。これでは業者に文句を言うこともできませんでした。
追加出費を渋ったばっかりに、結局無駄な費用が発生
宅内の漏水は、一般的に水道メーターの検針で発見されること多いようです。突然水道の使用量が増えた時などは要チェックです。 |
ところがその4ヵ月後、水道局の検針で漏水していることが判明しました。その後の調査で原因はユニットバス下の給湯管ということがわかりました。ユニットバスを一部取り外してもらい、給湯管を全部取り替えることにしました。水道工事業者からの請求は8万6千円でしたが、「ユニットバスを新しくする際に、給湯管や給水管も一緒に交換しておけば3~4万円で済んだのに」という業者の一言に、つくづくAさんはショックが隠しきれませんでした。
リフォーム業者の責任の範囲は?
水道工事業者の話では、今回漏水した箇所は以前から使っていた古い給湯管のつなぎ目でした。リフォームでは部分的に交換や補修を加えるため、リフォーム箇所とそうでない箇所とのつなぎ目や、リフォームしていない劣化箇所にトラブルが生じることも多いのです。今回のAさんのケースはまさしくこれでした。Aさんは業者がもっと早くこういったことについて教えてくれればよかったのにと思いながらも、リフォーム業者だけを責める訳にもいかず、つくづくリフォームの難しさと怖さを思い知ったのでした。では、パック価格のリフォームを利用するときは、どのようなことに気をつけておけば良いのでしょうか。次のページでは、リフォーム業者との打ち合わせを通して、業者との信頼関係まで築き上げたBさんの事例をご紹介します。