損しない相見積もりのポイントとは?
相見積りは最安値の業者を見つけるためのものではありません。正しい業者比較でより良いリフォームを手に入れましょう。
そこで工事の適正相場や、信頼できる業者を見つけるための手段が「相見積り」となる訳ですが、ほとんどの方が相見積りの取り方を誤解していて、満足度の低いリフォームを自ら引き起こす原因になっているようです。
今回は、リフォーム費用をしっかりと抑えながらも、業者との関係を損ねない、上手な相見積りの取り方をご紹介します。
<INDEX>
・相見積もりとはいったいなに?
・相見積もりにはタブーがある!
・相見積もりのタブーその1
・相見積もりのタブーその2
・相見積もりのタブーその3
・最安値の業者が最良とは限らない
・相見積もり時の確認事項1
・相見積もり時の確認事項2
・相見積もり時の確認事項3
・相見積もりはあくまでリフォームの入り口
そもそも相見積りってなんだろう?
相見積りとは、複数業者から見積り書をもらい、内容や金額を比較検討することを意味します。文頭でもご説明したとおり、リフォームには定価というものが用意されていないことがほとんどですから、業者から提示されたリフォーム金額が、適正であるか必ずしも判断できないことが多いのです。複数の業者からそれぞれ見積り書をもらうと、著しく高い金額で、しかもその場で契約を迫るような悪質度の高い業者を排除できる上に、それぞれの業者の工事金額や施工に対する意識などをチェックできるので、結果的にリーズナブルな業者を選ぶことができるのです。
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相見積りには「タブー」がある!
相見積りは単純な価格比較のための手段ではありません。業者との信頼関係が築けないと、追加工事やトラブルなどでリフォームが失敗に終わる事も……。 |
相見積りで絶対にやってはいけない禁じ手(タブー)がいくつかあるのですが、いずれもそれほど難しいことではありません。むしろ簡単なことばかりです。それだけにそういった手続きをおろそかにすると、せっかくのリフォームが台無しになる恐れがありますから、確実に覚えておきましょう。
タブー1:欲張ってたくさんの業者から見積りを取ってしまう
リフォーム初心者ほど少しでも費用を安く抑えようと数多く相見積りを取りたがる傾向があります。しかし業者の数だけ打ち合わせ回数が増えるのですから、それだけで疲れてしまったり、混乱してしまったりして、結果的に打ち合わせ内容に漏れが生じやすくなり、相見積りに失敗することも多くなります。
たくさんの業者から見積りをもらうことよりも、3~5社程度の業者としっかりと打ち合わせをした方が無難です。少なくとも3社ほどあれば、リフォーム相場も見えてきますし、見積り比較により、各業者の見積り漏れ(見落とし箇所)の発見にも役立ちます。リフォームのトラブルを未然に防ぐためにも、業者選定は欲張らないくらいがちょうど良いようです。
タブー2:相見積りの条件が業者ごとにバラバラ
せっかくの相見積りも、比較検討できない内容にしてしまっては意味がありません。 |
たとえば、リフォームの見積りを依頼する際、A社には洋室と寝室、B社には洋室とトイレ、C社には洋室と寝室とトイレ、という具合に見積りを頼んでしまっては、後で比較検討する際に混乱してしまいます。
上記のような場合は、A社、B社、C社ともに「洋室」「寝室」「トイレ」と工事箇所を揃え、またリフォームで採用したい設備・建材の種類や品目、自分のリフォームイメージ、予算などをしっかりと伝えておくことが重要です。こうしておけば後で単純比較しやすくなりますし、工事費用以外のチェックポイント(業者の技術力、提案力)なども見えてくるのです。
タブー3:業者に他業者の見積り書を見せてしまう
リフォーム範囲が大きくなったり、細かい部分にまで仕上がりにこだわるほど、業者との打ち合わせは煩雑になります。工事範囲や仕上げ材の種類など、どこか1社の見積り書をそのまま他の業者に見せることができれば、その後の打ち合わせは非常に簡単になりますが、これはマナー違反。苦労してお客様と打ち合わせした内容・情報や積算した金額が他社に筒抜けでは、以後真剣に打ち合わせに応じてくれなくなるはずです。そもそもリフォームにおける相見積りでは、特定業者の見積りの良し悪しを判断することよりも、費用の相場や、工事範囲や施工方法などを把握することを優先した方が、以後の打ち合わせも実際の工事もスムーズになります。
金額や施工方法などを他業者に見せてしまうことで、その金額・工法が打ち合わせの叩き台になってしまい、思ったより金額が安くならないことも多いので、見積り書の公開は絶対に止めておきましょう。
最安値の業者が良心的な業者とは言い切れない!
相見積りは費用を安く抑えるための手段です。しかし金額だけで業者を選んでしまうと、新たなトラブルにつながることもあるのです。せっかく安い金額の見積りを出してもらっても、その見積りが間違っていたり、施工が手抜きでは元も子もありません。特に著しく安い金額を提示してきた業者については、見積りの漏れはないか、工法に問題はないのか、どうして安く見積ることができたのか、などを事前に質問しておく必要があります。
確認1:「一式」書きに注意!工事範囲は明確か?
上記のような現場で追加工事が発生した場合、「一式」書きの見積りでは、どこまでが見積りに含まれているのか確認できず、トラブルになってしまいます。 |
仮にこういった「一式」書きの多い業者が、相見積りの結果、最安値を提示してきた場合は、必ず工事箇所や仕上げ材、工法などの説明を求め、書面に記載してもらうように依頼しましょう。その結果、説明をしてくれなかったり、あいまいな説明しかできないような業者では、施工箇所や工事の範囲、追加工事などで後々もめることにつながり、結果的に高い買い物になる可能性が大きいのです。
確認2:部分的に安い見積りに見落としはないか?
リフォームは現在の住まいをしっかり調査してこそ、より正確な見積りができるのです。 |
するとどうしても「全体の工事費用はさほど安くないのだけれど、この部屋のリフォーム金額は一番安い」というような業者が出てくることがあります。
だからと言って、業者に「他業者がこの部屋のリフォームについてはもっと安く出来ると言っている」と説明するのは早合点すぎます。むしろ大切なことは、安い見積り価格を出した業者が、見積りする上で何かを見落としていないか、見落としがないならどのような施工を検討しているのか、を見抜くことです。このような打ち合わせを重ねていくことで、業者の技術力やリフォームに対する意識をチェックすることができます。
確認3:著しく安い・高いは何かある!?
見積り書を比較していると、同じようなリフォームを提案していても、業者によって金額がまちまちであることがわかると思います。高いからといって絶対に良いとも限りませんし、安いから安心という訳でもありません。しかしリフォームにはおおよその「相場費用」というものがあります。この「リフォームにかかるお金」サイトの中でも、リフォーム箇所別の相場費用をご紹介していますので、見積りをしてくれた業者がそれらの概算価格からかけ離れていないことを確認してみると良いでしょう。
その結果、相場価格からかけ離れている見積り金額を提示した業者には、その見積り根拠を尋ね、理由を明確にしてくれない業者は、金額がたとえ一番安かったとしても、思い切って相見積りの検討から外す方が良いでしょう。
「相見積り」はリフォーム工事の入り口に過ぎない
業者との付き合いの出発点は「見積り」にあるといっても過言ではありません。その業者の工事に対する姿勢を初めて金額で見せ付けられるところです。しかし「見積り金額=リフォーム総額」とは必ずしも言えず、追加工事や、仕様変更(工事内容を途中で変更)があった場合に、リフォーム業者に、その費用を納得して支払えるか、というところが満足感に直結します。
くれぐれも「相見積り」が工事費用を安くするためだけでなく、良い業者を見抜くためのテクニックであるということを忘れずに、リフォームプランを立てるようにしましょう。