リフォーム費用/リフォームコストダウンのコツ

同時リフォームで得する人、損する人(2ページ目)

リフォームする際、「ついでに」の感覚で、あれもこれも追加してしまうと、それが得だったのか、損だったのか、よくわからなくなってしまうことがあります。今回は同時実施した方がよいリフォーム、同時にやる意味が少ないリフォームについてご紹介します。

大野 光政

執筆者:大野 光政

リフォームにかかるお金ガイド

ケース3:専門分野が違うと節約メリットは少ない

Cさんは、屋根の修理とトイレ便器の交換リフォームを業者に依頼しました。同時にリフォームを発注することで、手間や費用を削減しようと思っていました。

実際の工事では、屋根を修理する大工と、トイレ交換の設備工がそれぞれ別々の人であり、別々に発注した場合の費用と差がないことがわかりました。Cさんは今回のリフォームで少し予算を無理してしまっていたので、価格差がさほどないのであれば、トイレについてはもっとじっくり考え、ワンランク上の設備を入れるべきであったと後悔しました。

【Cさんのリフォーム費用】
屋根修理36万+トイレ交換15万(同時リフォームでは節約できず)

ケース4:工事以外の費用でお金がかさむ!?

キッチンリフォーム

キッチンなどの改修では住まいながらの工事も可能です。一気に工事を進めることが必ずしもコスト削減にはつながらないこともあるのです。

Dさんは、築32年になる住まいのリフォームを実施しました。キッチンや浴室といった水回り設備の入れ替えの他にも、和室を洋室に改造したり、傷んでいる床や壁を一緒に直すので、工事期間中のわずらわしさを考えて、仮住まいを借りることにしました。

工事が終わりかけた頃、職人の何気ない一言でDさんはショックを受けました。「Dさんが仮住まいにいてくださったおかげで、工事は効率良く進みました。ただ、工期は長くなりますが、部分的にリフォームを進めていった方が、仮住まい費用や引越し費用を考えたときに、安上がりだったんじゃないでしょうか?」

確かにそうです。よくよく考えてみると、各箇所のリフォームを一緒に実施したことで節約できたと思われる費用よりも、引越し業者や仮住まいの賃貸料を差し引いたら、トータルで損をしていました。Dさんはリフォーム業者ともっとしっかり打ち合わせしておけば良かった、と後悔しました。

【Dさんのリフォームおよびその他費用】
リフォーム費用540万+引越し費用10万×2回+仮住まい費用18万円
(リフォーム費用では23万円程度の節約ができたが、引越し・仮住まい費用で38万円の別途支出。トータル15万円の損。)

生活スタイル、予算についてもっと業者と打ち合わせしよう

最後にご紹介したDさんの事例の場合、工事期間中に関して言えば、業者の出入りや工事中に発生するホコリなどを気にする必要がなかったので、一概に「損」と決め付けることは難しいと思いますが、現実に必要経費は発生しています。

普段から忙しくしているご家族では、引越しの荷造りや家具の搬入を自分たちでやることは困難です。また小さいお子さんがいらっしゃるご家庭では、工事中のホコリなども心配になるものです。

リフォームを上手に実施するには、自分たちの生活スタイルについても業者と打ち合わせをしておく方が良さそうです。またリフォーム工事の見積り金額だけに気を配るのではなく、その他に必要になる費用についても「リフォームにかかるお金」であることを忘れずに、トータルで安心できるリフォームを満喫していただければと思います。


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