大腸がん/大腸がん・直腸がんの予防法・治療法

欧米か(化)?! 増え続ける大腸がんの予防(2ページ目)

大腸癌による死亡率が高くなっています。このままの状況が続くと大腸癌は悪性腫瘍の中でも死因トップになることが予測されています。大腸癌の危険因子と予防因子についてご紹介します。

執筆者:吉國 友和

こんな人は注意が必要 ハイリスク群

消化管内視鏡
左が直径約9mmの上部消化管(胃)、右が直径約11mmの下部消化管(大腸)内視鏡です。下部消化管内視鏡のほうが大きく、断面積では約1.5倍の違いになります
  • 肥満
  • 高脂血症
  • 糖尿病
  • 家族(兄弟)が大腸癌になった
この条件に当てはまる方は要注意です。運動不足によって生活習慣病と呼ばれる疾患群が増加していますが、大腸癌も同じような傾向があります。また、大腸癌に関連した腹痛や下痢・便秘といった消化器症状が出現することもありますが、必ずしも症状を伴うとは限りません。

また、大腸癌は明らかに遺伝性がない場合でも、大腸癌になった人の家族に見つかりやすいという傾向があります。ポリープから癌になることもありますので、50代を過ぎてまだ一度も内視鏡検査を受けたことがない方は、ポリープの有無を確認してみてはいかがでしょうか。


苦痛の少ない便検査 確実な診断には内視鏡

便潜血反応は苦痛や経済的な負担も少ない検査法です。この検査は名前の通り便の中に血液が混じっているかどうかを調べるものですので、陽性=癌というわけではありません。この検査の欠点として、痔からの出血も陽性として判定されること、肛門から遠方となる上行結腸にある早期癌の発見が難しいことがありますが、やはり苦痛が少ないのは大きな利点です。この検査は2日間連続して行うのが通常ですが、仮に検査が陽性であっても「痔があるからその出血だろう」と考えてしまい、放っておいた期間に大腸癌が進行することもありますから、もし1度でも陽性であれば内視鏡検査を行うべきです。

これに対して全大腸内視鏡検査は大腸のほとんどを一度に確認することができますから、便潜血反応に比べて高い確率で異常を見つけることのできる検査法です。人間の目で行う検査ですから、初回の検査では異常がなかったのに二度目の検査で初めて病変が見つかるということもありますが、ほとんどの場合には一度の検査でポリープを含めた病変の有無を調べることができます。時間もかかり苦痛を伴う検査ではありますが、検査を行う人の技術によってはスムースに短時間で終えることもできます。50代以上で今までにこの検査を受けたことのない方は便潜血で異常がなかったとしても、一度は受けたほうがいいかもしれません。


日常生活での具体的な予防法だけではなく、ご自身にどのぐらい病気の危険性があるのかを知っておくことも健康法の1つです。今回はそのことを踏まえて大腸癌の予防・危険因子、なりやすい条件(ハイリスク群)についてご紹介しました。大腸癌による死亡率は、現在トップの肺癌を抜いて近い将来第一位になると考えられていますが、この記事が少しでも予防効果に寄与すればと願っています。


【関連リンク】
・ 健康にとって望ましい生活とは?
今日からスタート! 健康生活 基本の3ヶ条 (All About 50代からの健康法)
・ あなたは今日までに何度の食事をされたでしょう?
80歳までに3万食! 食生活は健康のカナメ (All About 50代からの健康法)
・ おせち料理には健康への様々な願いが込められています
健康を祈願する、50代からのおせち料理 (All About 50代からの健康法)

  • 前のページへ
  • 1
  • 2
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※当サイトにおける医師・医療従事者等による情報の提供は、診断・治療行為ではありません。診断・治療を必要とする方は、適切な医療機関での受診をおすすめいたします。記事内容は執筆者個人の見解によるものであり、全ての方への有効性を保証するものではありません。当サイトで提供する情報に基づいて被ったいかなる損害についても、当社、各ガイド、その他当社と契約した情報提供者は一切の責任を負いかねます。
免責事項

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます