こんな人は注意が必要 ハイリスク群
左が直径約9mmの上部消化管(胃)、右が直径約11mmの下部消化管(大腸)内視鏡です。下部消化管内視鏡のほうが大きく、断面積では約1.5倍の違いになります |
- 肥満
- 高脂血症
- 糖尿病
- 家族(兄弟)が大腸癌になった
また、大腸癌は明らかに遺伝性がない場合でも、大腸癌になった人の家族に見つかりやすいという傾向があります。ポリープから癌になることもありますので、50代を過ぎてまだ一度も内視鏡検査を受けたことがない方は、ポリープの有無を確認してみてはいかがでしょうか。
苦痛の少ない便検査 確実な診断には内視鏡
便潜血反応は苦痛や経済的な負担も少ない検査法です。この検査は名前の通り便の中に血液が混じっているかどうかを調べるものですので、陽性=癌というわけではありません。この検査の欠点として、痔からの出血も陽性として判定されること、肛門から遠方となる上行結腸にある早期癌の発見が難しいことがありますが、やはり苦痛が少ないのは大きな利点です。この検査は2日間連続して行うのが通常ですが、仮に検査が陽性であっても「痔があるからその出血だろう」と考えてしまい、放っておいた期間に大腸癌が進行することもありますから、もし1度でも陽性であれば内視鏡検査を行うべきです。これに対して全大腸内視鏡検査は大腸のほとんどを一度に確認することができますから、便潜血反応に比べて高い確率で異常を見つけることのできる検査法です。人間の目で行う検査ですから、初回の検査では異常がなかったのに二度目の検査で初めて病変が見つかるということもありますが、ほとんどの場合には一度の検査でポリープを含めた病変の有無を調べることができます。時間もかかり苦痛を伴う検査ではありますが、検査を行う人の技術によってはスムースに短時間で終えることもできます。50代以上で今までにこの検査を受けたことのない方は便潜血で異常がなかったとしても、一度は受けたほうがいいかもしれません。
日常生活での具体的な予防法だけではなく、ご自身にどのぐらい病気の危険性があるのかを知っておくことも健康法の1つです。今回はそのことを踏まえて大腸癌の予防・危険因子、なりやすい条件(ハイリスク群)についてご紹介しました。大腸癌による死亡率は、現在トップの肺癌を抜いて近い将来第一位になると考えられていますが、この記事が少しでも予防効果に寄与すればと願っています。
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