食後に胸やけを感じたことはありませんか? 食べすぎ・飲みすぎが原因と思っていると、実は食道に炎症が起きていることがあります。中高年層で発症することの多い逆流性食道炎の治療、日常生活での予防・注意点をご紹介します。


こんな症状がありませんか?

GERD
食道から胃を見ている内視鏡所見です。矢印、青い点で囲んだ部分が食道から逆流してきた胃酸による炎症の部分です
逆流性食道炎とは、様々な原因によって胃酸がこみ上げてきて食道に炎症を起こす病気です。肉眼的に見て明らかな炎症のない場合にも症状が出現することもあり、最近では炎症や潰瘍が内視鏡で確認される場合はGERD(ガード:胃食道逆流症)、明らかな所見が得られず症状だけを有するものをNERD(ナード:非びらん性胃食道逆流症)と呼びます。

胃酸逆流に伴う症状を有する方のうち、半分以上を占めると考えられているNERDは50歳以下の女性に多いのですが、加齢に伴いGERDと診断されるケースも増えてきます。特に食後に次のような症状が出現します。
  • 胸やけ・胸のつかえ感
  • 胸の痛み(狭心症に似ていることも)
  • 気分不良・吐き気
  • 咳(せき)
  • 少量の吐血(重症例)
  • 嚥下障害(むせ、飲み込みづらい感じ)



逆流性食道炎を起こしやすいのはどんな人?

GERD
飲酒後に胸やけを感じたことはありませんか?
食道から胃につながる部分には、下部食道括約筋(かつやくきん)と呼ばれる筋肉があります。この筋肉が胃酸の逆流を防いでいるのですが、この部分に影響を与える手術(胃切除など)を受けた場合や、食道ヘルニアなどでも胃酸の逆流が生じやすくなることがあります。高齢の方や妊婦さん、膠原病の合併症、更には肥満が原因となって生じやすくなります。この他、高血圧の治療に用いるカルシウム拮抗薬という種類の降圧薬や、狭心症などの治療に用いるニトロの製剤も食道括約筋の圧を低下させ、副作用として胃酸逆流症状が出現することもあります。

食後すぐに横になったとき、胸やけや胃酸が上がるのを感じるようであれば可能性はかなり高いと考えられますので、実際に夕食後に横になって試してみてください。症状が出現するようでしたら、一度は内視鏡検査(胃カメラ)を受ける必要があります。


次のページでは逆流性食道炎を放置したらどうなるかをご紹介します。