相続・相続税/相続の事例・トラブルと対処法

本家相続でもめないためには人間関係が大切

一般的に相続は、最初に父から母・子への相続、次に母から子への相続になります。父の相続のときは母の存在もあり何とか治まります。しかし、母から子への相続のときにもめてしまうことが多いようです。そんな母から子への相続でももめなかったケースを紹介します。

執筆者:加藤 昌男

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本家相続か均分相続か

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相続でもめるのはどんなとき?

相続には、本家相続と均分相続があります。本家相続とは、長男(もしくは事業承継者、同居者)が家を引継ぐものです。その代わり、負担(遺された配偶者との同居、墓守、冠婚葬祭、ご近所付き合い)も長男が負うものです。

一方、均分相続とは、子供は均等に相続するというものです。しかしこの場合、相続後に前述の負担(遺された配偶者との同居、墓守、冠婚葬祭、ご近所付き合い)まで均分という訳にはいかないのが実情。そんな背景もあり、実際には現在でも相続全体の7~8割程度(※)は本家相続の形で行われているようです。

この本家相続をするときにもめることがあります。特に母親が亡くなったときにもめることが多いようです。
 
(※)以前、所得税の高額納税者と同様に相続税の財産取得者も発表されていました。その資料から。
 

 

本家相続をするには困難も

大都市圏の農家の相続では、遺産分割が難しいことが多いです。問題となるのは、長男と他の兄弟との関係です。長男は、遺産の土地で農業を営んで配偶者と同居している一方、他の兄弟たちは、会社勤めで別に生活しているというのが典型的なパターン。この兄弟間の関係が遺産分割に大きく影響してくるのです。

まず長男は、兄弟たちに対して「母の面倒をみなくていいから気楽だ」と思っています。一方で兄弟たちは長男に対して「大きな家に住んでアパート収入もあり、あまり働かなくて暮らしていけるのがうらやましい」と思っています。そんな関係が続いてくると、いざ母が亡くなったときに、兄弟達は、「長男ももう母の面倒を見る必要がないのだから、遺産は均分で分けよう」ということを言い始めるわけです。こうなると、本家を継ぐつもりでいた長男は、「今まで俺は母の面倒で苦労してきたんだ。今になって何を!」と感情的になりもめてしまうのです。

しかし、このようなケースにおいて、家族がもめずにうまくいっている事例がありました。

 

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