築90年を超える建物
旧小山家住宅は、当時の当主だった小山市五郎氏が田口鉄五郎氏という地元の大工さんに頼んで建てました。大正6(1917)年建築の平屋の建物で、築90年を超えます。関東大震災も、第二次世界大戦もくぐり抜けてきたわけです。墨田区が1998(平成10)年に土地と家屋を購入し、2005(平成11)年、区立の立花大正民家園として開園しました。現在は、墨田区の指定有形文化財となっています。農家としては建築当初から土間が狭く、江戸の町屋的な雰囲気で、細い木割の格子戸が懐かしさを感じさせる建物です |
太い柱が2本あり、その上に梁を掛けているのですが、これら構造材には良質な材料が使われています。今ではこれほど太い柱や長い梁を探すのは難しいでしょう。
少しずつ手を加えて
基本的な間取りは、台所と板の間の居間、和室が2つと、来客用の座敷が2つとなっています。主な構成は建築当時と大きくは変わりませんが、使いやすいように少しずつ手が加えられてきました。土間の隣に位置する居室。かつては囲炉裏があったようです |
次のページでは、奥座敷を見ていきましょう。