今回は、東京都世田谷区にある次大夫堀(じだゆうぼり)公園民家園内において一般公開されている「旧安藤家住宅」をご紹介しましょう。

明治中期の状態を復元

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茅葺き屋根のどっしりとした佇まい。床面積は94坪ほど
江戸時代後期から明治にかけての農村風景を再現している次大夫堀公園民家園が開園したのは1987(昭和63)年の11月。公園内には、次大夫堀と呼ばれた(正式名称は六郷用水)農業用水が復元されているほか、旧安藤家住宅主屋をはじめ、旧加藤家住宅主屋、旧城田家住宅主屋、旧秋山家住宅土蔵、旧谷岡家住宅表門などが移築され、一般公開されています。

安藤家は旧大蔵村の名主で、この住宅は江戸後期に旧大蔵村にあったのを移築したもの。安藤家が最も繁栄したといわれる明治時代の中期の姿を復元したものだそうです。

民具の展示から当時の生活を知る

世田谷区の指定有形文化財となっていますが、中は自由に見学できます。室内に、箪笥、燭台、文机、長火鉢など当時の生活用具がいくつも展示されていて、機織りの実演が行われていました。

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家族が集う台所。囲炉裏が中心にあり、食事もここでしていたそうです
この時代の住宅では、家族や親しい人たちの出入り口と、正式な来客が利用する玄関が分かれている例を見かけますが、旧安藤家も同じようになっていました。来客は式台から家の中に入り、座敷に通されます。

一方、家族は土間に面した出入り口を使っていたようです。そして、家族団らんの場は、囲炉裏のある台所。板敷きですが、囲炉裏のおかげで冬は暖かい部屋だったでしょう。

次のページでは、もう少し室内を見ていきましょう。