暖かさだけでなく癒しの効果も

吹き抜けに薪ストーブを設ければ空間全体に暖かさが伝わる

吹き抜けに薪ストーブを設ければ空間全体に暖かさが伝わる

住まいの暖房設備には、エアコンや床暖房など、さまざまな機器ありますが、薪を燃料とするストーブを取り入れたいと望む方もいらっしゃるのではないでしょうか。

薪ストーブは、空間を暖める実用的な暖房機器としてはもちろん、その揺れる炎に癒しを感じたり、インテリア的な魅力も。また、機器によっては調理を楽しむことができる、ということも人気の理由かもしれません。最近では、自然の中に建つ別荘などの特別な空間だけでなく、都市の暮らしの中で取り入れるケースもみられるようになりました。

薪ストーブの素材には鋳鉄や鋼板がある

薪ストーブには、いくつかのタイプがありますが、基本的なスタイルは、不燃材の床の上にストーブ本体を設置し、室内に露出した煙突を持つものです。

本体の素材で分類すると、主に鋳鉄製や鋼板製など。石(ソープストーンなど)や鋳鉄にホウロウびきしたもの、スチールやステンレスなどのタイプも提案されています。一般的に、鋳鉄製は暖まるまでに時間がかかりますが、冷めにくいのが魅力。鋼板製は早く暖まりますが、火がなくなると比較的早く冷めるといわれています。デザイン的には、鋳鉄は重みのある凝ったデザイン、鋼板は直線的なシンプルなデザインがみられます。

また、デザインによって横長タイプと縦長タイプ、モダンなスタイルとクラシックなスタイルに分類することも。その他、暖房としてだけでなくオーブン機能を持ったものもみられます。設置する空間に合わせ、オリジナルで制作する場合もありますが、現在日本で販売されている薪ストーブは、国産はもちろん、米国や北欧製など輸入品も多く揃っています。

エアータイト型とオープン型、輻射式と対流式

燃焼室の開閉状態から分けると、エアータイト型とオープン型(開放式)のふたつに分けることもできます。エアータイト型は、前面の扉で燃焼室を密閉するため、熱が外部に逃げにくく暖房性能が高いのが特徴。オープン型は、燃焼室が開放されているため、炎をそのまま楽しむことができるものです。

また、暖房方式によって、輻射式と対流式に分けることも。輻射式は、熱をストーブ内部で循環させ、本体に蓄熱してから輻射熱を発して室内を暖めるもの。対流式は、温められた空気が自然対流、もしくはファンなどを用いて強制対流させ、室内に送りだされ暖めるタイプです。

性能や構造などの確認しておきたい

薪ストーブは、排煙についての配慮もされており、薪を燃やす(一次燃焼)際に発生した燃焼ガスから不純物を取り除いて、もう一度燃焼させ、排煙をクリーンにすると同時に暖房性能を高められています。

二次燃焼には触媒装置を利用して煙を比較的低温で燃焼させるもの、触媒を使わず発生した煙に高温の空気を加えることで煙を再燃焼させるクリーンバーン方式などがありますが、各社さまざまな方法を用いているので、どんな特徴があるのか、事前に確認しておくようにしましょう。

また、薪ストーブの煙突には一重(シングル)煙突と二重煙突があります。一重煙突の場合は、外気で煙突内の温度が下がるので、燃えにくく煙が逆流することも。直径の異なる筒を重ねた二重煙突は一重に比べ、煙突内の温度は下がりにくいのが特徴です。より機能性や安全性が高いのは、断熱材を充填した断熱二重煙突。一重や二重煙突に比べて、コストはかかりますが、性能面は優れていると言えるでしょう。

主暖房か補助暖房か、住まい全体の暖房計画として検討を

薪ストーブを選ぶ際には、設置する目的を明確にしておくこと。主暖房としたいのか補助暖房なのか、また、調理に使いたいのか、などをはっきりすることで、どんなストーブを、家のどこに設置すればいいのか、煙突の配置なども含めてプランニングできるでしょう。温めたい空間の広さや使い勝手に合わせ、表示されている最大出力などの確認を。調理に利用するのであれば、天板部分の形状などもポイントでしょう。薪ストーブのショールームは決して多くはありませんが、可能な限り実物を確認し、実際に焚いてみるなどして選ぶことも重要です。

プランニングの際には近隣への配慮も

薪ストーブは、集合住宅を除いて、ほとんどの住宅に設置することは可能ですが、煙突の設置や内装材、換気に関しての法規制があるので、プランニングには充分な注意が必要です。

また、広い敷地であれば気にしなくてもいいかもしれませんが、通常の住宅地の場合、周辺の環境に充分な配慮をしたいもの。煙突からの煙の臭いや洗濯物への影響など、近隣への迷惑にならないか、風向きなども考慮しておくことが大切ですし、着工前の近隣挨拶では、ストーブを設置すること等も含め説明をしておいた方がいいでしょう。

メンテナンスや点検をしっかりと

薪ストーブを長く安全に使用するためには、お手入れやメンテナンス、定期的な点検は欠かせません。煙突にたまった煤をそのままにしておくと、煙突内に狭まり煙の排出が悪くなりますし、煙突火災の原因にも。何度もおこると煙突近くの壁は炭化し、突然火災(煙突火災)となることもあるとか。そのため、定期的な煙突掃除が必要ですが、細かな方法などは購入先や施工会社などに相談すること。自分でできない場合は、メンテナンスをお願いしてもいいでしょう。

いずれにしても、シーズンに最低1回はお手入れを。購入先を選ぶ際には、アフターサービスやメンテナンス体制が整っているかどうかをしっかりと確認しておくも大切です。

薪の調達先、保存スペースの確保も忘れずに

薪の調達先があるかどうかも、事前に確認しておきたいポイントのひとつ。購入先や燃料店、DIYショップやネットショップ、森林組合や営林署など、手に入れられる方法を探しておくこと。また、薪の保存スペースの確保も必要です。間取りプランを検討する際には、忘れずに組み込んでおくようにしましょう。いずれにしても、設置したい場合には、設計前、なるべく早いうちから設計担当者に相談し、検討することが大切です。

再生可能なエネルギーである薪を利用する薪ストーブは、石油やガス、電気などを利用する暖房機器のようにスイッチひとつの手軽さがありませんし、薪の調達はもちろん、メンテナンスも欠かせません。しかし、そんな手間を楽しむゆとりと覚悟があるのであれば、大変魅力的な機器のひとつと言えるのではないでしょうか。地方自治体によっては、補助金や助成金を交付されるケースもあるので、事前に確認しておくようにしましょう。


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