生命保険料を払っていると税金がおまけされる
生命保険に入っていると、一定の保険料がその年の所得から差し引かれ、所得税と住民税をおまけしてもらえる「生命保険料控除」が受けられるというイイコトがあります。会社員は、年末調整を行うための書類に記入して「生命保険料控除証明書」と一緒に提出していれば手続きは完了しています。でも、書類を提出しなかった人もいそうです。そんな人は、確定申告で払いすぎの所得税を取り戻せます。取り戻せる金額は、その人が適用される所得税率(5~45%)と、昨年1年間で支払った生命保険料で違ってきます。所得税率が低く、払った保険料が少ないと、取り戻せる金額は少ないのが一般的。具体例として、ものすごく単純に計算したパターンを挙げてみましょう。所得税率が5%(課税所得195万円以下)で、一般の生命保険料を月2000円払っていたとすると、課税所得を2万4000円減らせ、取り戻せる所得税の金額は1200円になります。
住民税も考えて確定申告を
確定申告書の作り方はいろいろありますが、手っ取り早いのは国税庁のホームページ内にある「確定申告書作成コーナー」を利用して申告書を作成しプリントアウトする方法。そして、必要書類(源泉徴収票・保険料控除証明書)を添えて、税務署に郵送するか持って行くことで提出します。確定申告の時期になると設置される「申告相談会場」でも提出できます。また、ネットを利用する「e-Tax」で申告内容を送信することもできます。「e-Tax」で送信するには、事前にマイナンバーカードなどの電子認証およびICカードリーダライターの準備が必要です。また、「e-Tax利用の簡便化」で、ID・パスワード方式だとマイナンバーカードやICカードリーダライターが不要になっています。
数年に1度しか確定申告をしないなら、税務署へ郵送・持参、申告会場で手続きをしたほうがいいでしょう。
この手間とお金(郵送料や税務署にわざわざ行く交通費)をかけて、「戻ってくる金額はたったこれだけ……」と考えると、手間・経費倒れと感じる人もいるでしょう。でも、所得税の確定申告をすると住民税の課税所得も減って住民税も減ります。住民税は天引きされる金額が減るだけで目に見えて戻ってくるわけではありませんが、住民税のことも考えて経費が少ない方法で確定申告をして。そして、今年の年末は会社に書類を提出して生命保険料控除を受けましょう。