この日経日本画大賞は、日本画家の故東山魁夷氏の功績を称えるとともに、21世紀の美術界を担う新進気鋭の日本画家を表彰するためのもので、学芸員やジャーナリストらが推薦した日本画家の中から選出されます。大賞作品は入選作品とともに、11月2日(木)からニューオータニ美術館で展示されます。
■受賞作について:奥村美佳
奥村美佳さん |
出品作の「かなたVII」の題材となった場所は三重県の海と小さな島です。雄大な海に囲まれて、畏怖の念をいだきつつ、慎ましく暮す人々の営みに共感を覚えます。島の人々の素朴とも言える営みは、地形に逆らうことなく、肩を寄せ合うように並ぶ民家や階段、路地にいたるまで、あらゆるかたちに反映しています。そして夕暮れ時は、民家そのものが、より明確に、そのかたちの存在を際立たせる時間です。海が残照に輝き、あらゆる物が影の色彩に沈む夕暮れ時を美しいと感じながら描きました。
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■展覧会情報
展覧会名:第3回 東山魁夷記念 日経日本画大賞展→関連ページ
会期:2006年11月2日(木)~12月17日(日)
会場:ニューオータニ美術館
住所:東京都千代田区紀尾井町4-1
入館料:一般700円
■入選作(13点)
猪熊佳子「神話の国から」
奥村美佳「かなたVII」
小滝雅道「Neither a point nor a line, No.382(一文字波)」
斉藤典彦「in her garden」
阪本トクロウ「デイライト」
竹川リサ「揺り局」
長沢明「トラとハル」
西嶋豊彦「ハナがフル―最後に見る太陽」
西野陽一「森の家族」
林孝二「憑(ひょう)」
町田久美「関係」
松崎十朗「記憶」
三瀬夏之介「日本の絵」